

原題:Captain Phillips
公開:2013/11/29
製作国・年:アメリカ映画・2013年
配給:ソニー・ピクチャーズ
上映時間:2時14分/CS/デジタル
鑑賞日:2013/12/ シネマイクスピアリ(S16)
監督:ポール・グリーングラス
出演:トム・ハンクス、バーカッド・アブディ、キャサリン・キーナー、バーカッド・アブディラマン、ファイサル・アメッド
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アメリカのコンテナ貨物船マークス・アラバマ号は、船長のリチャード・フィリップス(トム・ハンクス)と20人の乗組員と共にアフリカへの援助物資として5000トン以上の食糧を積み、ケニアに向かってインド洋航行していた。
だが、ソマリア海域に入った時、突如4人の海賊に襲われれ、瞬く間に船を占拠されてしまう。
船長のフィリップスは、20人の乗組員を解放することと引き換えに自ら海賊の人質になり、たった1人でソマリア人の海賊と命がけの駆け引きを始めるのだが・・・
2009年、ソマリア海域で起こった海賊船による貨物船人質事件を、トム・ハンクスが船長フィリップスを演じ、監督は「ボーン・アルティメイタム」「ユナイテッド93」のポール・グリーングラスが映画化したサスペンス。
映画は冒頭から、アメリカ人船長フィリップスとソマリア人海賊の異なる表情や仕草の背景が対比して描かれ、モーターボートで猛然と接近して4人の海賊にジャックされて緊迫した船内の状況を描く中半、そして米海軍特殊部隊が救出作戦を展開する後半までセリフも少なく、カメラワークもリアリズムに進んで、事件現場にいるような疑似体験のような展開を見せる。
だが、どうも、捻くれ者の僕には満足できない映画だった。
題材が実話という割り切った考えでみれば緊張感溢れるエンタティメント作品で済むんだけれど、トム演じるフィリップス船長や海賊側のキャラクターに感情移入したり肩入れできない。
ドキュメンタリーのふりをした商業映画と割り切れない、何かわだかまりが頭に引っかかっている。
骸骨のような風貌をしたソマリア人の海賊たちが異様に映るのは、
欧米人にとってはエイリアンにしか見えないんだろうなぁとつくづく思う。
ニュースの話題にソマリア海域での海賊船による貨物船襲撃事件のことが取り上げられるが、
ソマリア崩壊後20年余り、やまない内戦や殺戮、飢餓による犠牲、そして海洋汚染による環境破壊の事実はなかなか一般の人には伝わりにくい。
ソマリアでの出来事は経済格差という単純な理由ではなく、問題の背景の本質を見極めないと、同じ思考の堂々巡りしかできない。
ソマリアにまつわる話を単純に考えて見るのと、欧米がソマリアに関ってきた出来事を知るのとでは、この映画の見方も違った景色に見えてくると思うのだが。
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■ キーワード
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「僕らの時代は真面目にやっていれば船長になれたけど、何もかも昔と違ってきた。サバイバル社会だ。」
「では何故、今ここにいる?」
「座席番号は15」
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■ 映画の採点 ★★★☆☆
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備考
100点満点で点数は★20点 ☆5点
★★★★★ 有数の傑作
★★★★ 見逃せない
★★★ 見応え充分
★★ 話題作だけど…
★ ダメだ、こりゃ…
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