うまんちゅの惑星

40代。午年生まれ。夢を失い失望の連続で惑星の果てを彷徨ってる気分だが、“なんくるないさ”の気持ちで日々の出来事を綴る

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ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日


原題:Life of Pio
公開:2013/1/25
製作国・年:アメリカ映画・2012年
配給:20世紀フォックス映画
上映時間:2時06分/V/デジタル
鑑賞日:2013/3/1  イクスピアリ(S2)

監督:アン・リー
出演:スラージ・シャルマ、イルファン・カーン、タブー、レイフ・スポール、ジェラール・ドパルデュー


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遭難を題材にした映画で思い出すのはトム・ハンクス主演の「キャスト・アウェイ」とイーサン・ホーク主演の「生きてこそ」。
「キャスト・アウェイ」は誰もいない孤島、「生きてこそ」は南米アンデス山脈の山中が舞台だった。
両作品とも、体感する感動の物語として見れば面白い映画だったけれど、この「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」は遭難を題材にして、宗教や信仰、そして死生観といった、人間の内面に横たわる哲学や思考を寓話的に描いている。
見る人のそれぞれがいろいろな解釈ができ、思考する事に意味がある。
映画は人の心の中まで写せはしないけれど、人の心を動かすことはできる、深く余韻に残る映画だった。


少年パイは16歳。
インドで動物園を営む両親と兄の四人家族で暮らしていた。
政情不安の中、家族はカナダへの移住を決めて、貨物船に動物たちを乗せてインドを離れるが、太平洋上の海洋で嵐に見舞われて、貨物船は沈没した。
荒々しい海に投げ出されながらも救命ボートにしがみつきながら唯一生き残ったパイ。
その救命ボートの中には貨物船から逃げ出したシマウマとハイエナ、そしてオランウータンが乗り合せていた。
しかし、ボートの中には凶暴なベンガルトラも身を潜めていたのだが・・・

タイトルに「トラと漂流した227日」とあるが、実話をもとに映画化したのではない。
カナダ人の作家ヤン・マーテルが書いた「パイの物語」の小説をアン・リーが映画化して、本年度の第85回アカデミー賞11部門にノミネートされ、アン・リーが監督賞を受賞した。


物語は、
救命ボートで一頭の虎とのサバイバルな漂流生活をした少年パイの運命を、中年になったパイが生い立ちから遭難の出来事を回想する形で語られていく。

ヒンドゥー教、キリスト教、イスラム教の3つの宗教を信仰するパイに対して父親から「全ての宗教を同時に信じるという事は、どの宗教も全く信じていないと言うことだよ」と諭されたり、パイが動物園内で見た虎に惹きつけられると「虎の目に映る、自分の姿は自分の感情を反映しただけだ」と諭す。
そして、少女との恋のエピソードなどを通して、パイ自身の成長期における内面が語られる映画前半は、冗長と受け取るのか、それとも物語の比喩としての伏線として理解するかどうかで見方が変わってくる。

人の口の中に広がる宇宙の世界、海の底に広がる神秘的な世界。
荒れ狂う海、鏡の中に入り込んだような静謐な海。
そして宇宙の世界に漂っているような感覚の海。
貨物船が沈没する映像や漂流生活で目にする光る鯨やクラゲ、そしてトビウオの群れを描く映像には魅入ってしまう。

映画終盤、パイがこれまで語ってきた救命ボートに登場する動物たちについて、もうひとつの物語を示唆する。
それは「シマウマ」が脚を骨折した貨物船の船員に、「ハイエナ」が貨物船のコックに、「オランウータン」がパイの母親、そして「虎」がパイ本人の“別の感情”と置き換える告白がある。
それは、パイが語る物語と幻想的な映像の裏には比喩的に、極限状態でのカニバリズムがあったという意味合いとして受け取れる。

ラスト、パイは“どちらの物語が好き?”と問いかける。
僕は“トム・ハンクスが出てくる遭難映画(キャスト・アウェイ)”よりも“虎が出てくる話がいい”と答えたい。


因みに、パイは漂流生活を共にする虎に“リチャード・パーカー”と名付けるのだが、名前には映画の裏話として深い意味があるようだ。
貨物船のコック役がドパルデューに似ているなぁ、と思っていたら本人だった(笑)







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■ キーワード
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「リチャード・パーカー」


「信じる事は疑う事だ。」


「宗教は暗黒だ。理性で考えろ。」


「生きることは、手放すと言うことだよ。」


「人生に別れはつきものだ。だが、本当に悲しいのはさよならを言えないことだ。」






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■ 映画の採点  ★★★★
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…








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