

「ハート・ロッカー」
原題:The Hurt Locker
公開:2010/3/6
製作国・年:アメリカ・2009
配給:ブロードメディア・スタジオ
上映時間:2時間11分/V/DOLBY・D
鑑賞日:2010/5/1 シネマメディアージュ(S9)
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ、ガイ・ピアース、レイフ・ファインズ
イラクのバクダット周辺で活動する米軍の爆発物処理班。
彼らの任務は、他の部隊に比べて戦場での死亡率が5倍も高く、死に最も近い兵士達である。
来る日も来る日も爆弾処理に従事するブラボー中隊に、ウィリアム・ジェームズ二等軍曹が参入した。
彼はまるで死に対する恐れが全くないかのように爆発物の前で振舞うが、中隊の仲間達は徐々にジェームズに対して不安を募らせていくことになる…
瞬間瞬間に命を懸けている兵士たちの緊張感を描き、本年度アカデミー作品賞、監督賞を含む6冠に輝いた話題作。
僕は普通の人達と比べて、どこかズレていることは“薄々”感づいていたけれど、やはりこの映画を見終わって、改めて自覚した思いだ。
時折評価の高い作品を見ても、僕にはどうも納得しがたい想いを抱く事が多々ある。
この「ハート・ロッカー」は数々の映画賞を受賞していて、公開前からかなりの期待感を持っていたにも関わらず、何だか不完全燃焼の気分だった。
確かにオープニングの十数分は緊張感があり、これはいけるなぁと思ったけれど、手持ちカメラによる粒子のある映像は、ドキュメタリータッチの臨場感がリアリティを生んでいるけれど、物語が進むにつれて、これまでのキャスリン・ビグロー作品の圧倒的な演出力に比べて、散漫になっていくように感じられるのだ。
爆弾処理班という特殊な任務を遂行する兵士達の恐怖や不安をえぐり出す心理描写と、スーパーでシリアルを選ぶ姿、そして幼い息子に語りかけるジェームズの描写でも、この主人公の神経崩壊を込めた意図になると思うが、僕には響かなかった。
もちろん映画を鑑賞した当日の体調のせいかなとも思うけれども。
比べるのが可笑しいけれども、先日鑑賞した「第9地区」のほうが僕には向いているらしい(笑)
しかし、こういう感覚しか感じないって言うのは、一種の平和ボケ症状だろう。
今でも沖縄では不発弾処理は行われているのだろうか?
小中学生の頃には毎年不発弾処理の為に、年に数回は避難行動をしていたことを思い出す。
米軍のイラク侵攻以降、日常のニュースなどで爆弾テロによる数十人規模の死亡がひっきりなしに伝えられているけれど、この国自体不感症に陥っている現状で、我々にとっても身近ではない他人ごとのようだが、イラクやアフガンの実態が少しでも伝われば、この作品が製作されたことに意味はあるだろう。
ただ、あまり有名でないキャストのジェレミー・レナー、アンソニー・マッキーの二人は今後注目したい俳優ではある。
僕の人生を左右してきた映画も“麻薬”だと思う。
この作品にこういう感想しか持てないのも中毒症状なのかなぁと思う。 (-_-;ウーン
キーワード
「戦争は麻薬だ」
「年を取ると、大好きだったものを忘れていく」
「873」
採点 ★★★☆
備考
100点満点で点数は★20点 ☆5点
★★★★★ 有数の傑作
★★★★ 見逃せない
★★★ 見応え充分
★★ 話題作だけど…
★ ダメだ、こりゃ…
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