うまんちゅの惑星

40代。午年生まれ。夢を失い失望の連続で惑星の果てを彷徨ってる気分だが、“なんくるないさ”の気持ちで日々の出来事を綴る

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日の名残り

日の名残り


「日の名残り」

カズオ・イシグロ 著 / 土屋政雄 訳


■ISBNコード: 978-4-15-120003-8
■判型/総ページ数: 文庫/365ページ
■価格: 760円(税別)
■発売年月日: 2008年6月15日(第9刷)
■発行元: 早川書房






品格ある執事の道を追及し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。
美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。
長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内でも催された重要な外交会議の数々-
過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。
失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。 ≪本書内容紹介より≫





映画化された「日の名残り」を見てから10数年の年月を経た今、いい作品で静かな感動をしたことを覚えているけれど、英国貴族の執事の物語で、アンソニー・ホプキンスという素晴らしい役者ぶりが印象に残った以外、物語の内容や場面の記憶はいったいどういう流れだったのか、なかなか思い出せないでいる。
寒い日が続いた週末、ふと記憶をたどるように、原作だった本のページを捲った。


英国政界の名士であったダーリントン卿のもとで永年執事人生を送ってきたスティーブンスは、主人亡き後、アメリカ人の新しい雇い主のもとで新たな執事人生を送っていたが、ジョークの受け答えを初めとした、これまでの風習に戸惑いを隠せないでいた。
そんななか、ひょんなきっかけで六日間の休みをもらい、屋敷を離れてイギリス国内を自動車で旅することになった。
彼には、昔ダーリントンの屋敷で、女中頭として働いていたミス・ケントンを訪ねるという、別の目的もあった。
そんな短い旅の途中で、スティーブンスが執事として歩んできた人生を、まるで記憶の糸をほぐすように回顧していくことになるが…

鈍感なのか?
それとも、忠誠心が強すぎて、真面目すぎるせいなのか?
ホントに馬鹿な男なのだ。

スティーブンスの断片的な記憶の奥には、現実からの逃避の為なのか、それとも非を認めたくない為になのか、自分の人生を第三者的に語っていたのだが、旅の終わりの夕闇のなか、彼はついに本心を吐露する。

「偉大なる執事とは何か?」を追い求め、時には自問自答しながら執事人生を歩んできたスティーブンスは、自分の感情を抑え、そして自分の意見を主張せず、そして、自分の人生の行き先を判断出来ずに歩んだ人生を、ユーモアに含んだエピソードがスパイスのように効いた悲劇の物語だが、静かに、淡々と描かれている。


本の話からそれるが、若いころは好きな映画を自分の記憶に焼き付けたいが為に、朝から晩まで劇場に入り浸り、何度も同じ映画を見続けた。
それでも、砂時計の砂がこぼれていくように、場面場面の記憶の断片が、少しずつ失っていくようで、何だか儚い気がする。
心の底から嬉しかったり、楽しかったり、そして、辛かったり悲しかったりしない限り、記憶というものは残らないんだろうと思う。
記憶の曖昧さ、不正確さを知ると、年を重ねて人生の終盤を迎えるときの僕の記憶ってどうなんだろうか、と考える。





印象に残るキーワード


「これからの人生が、私の眼前に虚無となって広がっています」

「品格」

「ココア会議」

「人生楽しまなくっちゃ。夕方が1日でいちばんいい時間なんだ」






本書の採点  ★★★



備考

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  読み応えあり
★★★   まぁまぁかな~
★★    思ったより期待はずれ
★     ダメだ、こりゃ~


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