

「容疑者Xの献身」
東野圭吾 著
■ISBNコード: 978-4-16-711012-3
■判型/総ページ数: 文庫/394ページ
■価格: 629円(税別)
■発売年月日: 2008年10月10日(第7刷)
■発行元: 文藝春秋
本書の“運命のチャイムだった…”の部分を読んでいて、
数年前、綺麗な目をした女性に惹かれたことがあったことを思い出した。
それは、恋愛の対象とは程遠い感じのその女性と話をしている時、あまりの透き通った瞳に引き込まれ、今までに感じたことのない感情が芽生えたのだが…
おっと、危うく僕の謎のベールに包まれた“恋話”をばらすハメになりそうだった、危ない (笑)
天才数学者で高校教師の石神は、隣に住む母娘の親子が前夫を殺害したことで、二人を救う為に完全犯罪を企てるが、彼の前にかっての親友で天才物理学者、湯川学が現れるが…
主人公、帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学と、警視庁捜査1課の草薙刑事のコンビが、不可思議な事件を科学的に解明する、「探偵ガリレオ」「予知夢」に続く東野圭吾の推理小説シリーズ第3作目は直木賞受賞の長編。
石神の行為が純愛なのか、それとも一種のストーカー行為なのかは読み方しだいでどちらにでも解釈できるが、“どうせ外見を馬鹿にしたような噂だろうと思いながら石神は訊いた…”とか“…自分のような醜い男が、彼女のような美しい女に恋い焦がれる様子を見て、第三者たちは嘲笑していたに違いない”とあるように、原作の石神は丸顔のずんぐりとした体型で、自分の外面にコンプレックスを感じている部分も持ち合わせている設定。
映画版の堤真一のようにスマートないい男だったら、読み手の女性も石神の行為を無条件で許してしまうだろうなぁと思う ヾ(^o^;)
それはともかく、「探偵ガリレオ」「予知夢」「容疑者Xの献身」を読んでいて思ったのは、湯川や草薙というキャラクターにどうしても共感が持てないのがこのガリレオシリーズに対する評価かな、と思う。
しかし、親子が見たというハリウッド映画の人気シリーズが気になる。
本が2005年の刷物から考えると、ハリー・ポッターシリーズ三作目「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」か「ロード・オブ・ザ・リング」が考えられるが、僕の推理では多分「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」だろうと思うが、湯川ならこの難問をどう判断するだろう?
印象に残るキーワード
「君もエルデッシュ信者かい」
「…それからもう一つ、このアパートにはゴキブリは出ません。長年住んでいる私がいうのだからたしかです。」
「P≠NP 自分で考えて答えを出すのと、他人から聞いた答えが正しいかどうかを確認するのとでは、どちらが簡単か。」
「歯車」
「何という綺麗な眼をした母娘だろうと思った。それまで彼は、何かの美しさに見とれたり、感動したことがなかった。芸術の意味もわからなかった。だがこの瞬間、すべてを理解した。数学の問題が解かれる美しさと本質には同じだと気づいた。」
「一人の友達として、僕の話を聞けるか。刑事であることは捨てられるか。」
本書の採点 ★★★
備考
★★★★★ 有数の傑作
★★★★ 読み応えあり
★★★ まぁまぁかな~
★★ 思ったより期待はずれ
★ ダメだ、こりゃ~
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