

原題:Sully
公開:2016年9月24日
製作国・年:アメリカ映画・2016年
配給:ワーナー・ブラザース
上映時間:1時36分/CS/DOLBY・SRD
鑑賞日:2016/10/1 シネマイクスピアリ(S3)
監督:クリント・イーストウッド
出演:トム・ハンクス、アーロン・エッカート、ローラ・リニー
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2009年1月15日、
ニューヨーク発シアトル行きの旅客機は乗客155人を乗せてラガーディア空港を離陸した。
USエアウェイズのカクタス1549便は上昇過程の途中に渡り鳥の群れに遭遇して、両翼のエンジンに鳥の群れを吸い込んだ・・・
そして、バードストライクで両エンジンは停止してしまった。
ジェフ・スカイルズ副機長(アーロン・エッカート)はエンジン再起動を試みるがエンジンは繋らずに制御不能状態になった。
SOS信号をキャッチした管制官は飛び立ったラガーディア空港か近隣の空港への緊急着陸の指示を出した。
操縦桿の制御を副機長から代わったチェズレイ・“サリー”・サレンバーガー機長(トム・ハンクス)は、推力を失った機体が急速に滑空高度を落としていくなかで、眼下に広がるハドソン川への水面着陸を判断した。
“衝撃に備えよ”と機内アナウンスされると同時に戸惑う乗客たち・・・
サレンバーガー機長は動力なしの飛行機を低速度でマンハッタン上空を推力停止のまま滑空させてハドソン川に不時着させた。
幸いにも飛行機は破損せずに水上に浮かんだまま、駆けつけた救助活動の人々によって乗客全員が救われた。
危機発生から着水までの判断に要した時間はわずか208秒。
サリーは最悪の事態になりうる航空機事故から乗客155人全員の命を救って、世界からハドソン川の奇跡と“英雄”扱いの称賛を受けた・・・
しかし、不時着以外の選択肢は無かったのか?
事故後に検証されたさまざまなデータやシュミレーションでは最寄の空港へ戻れることが実証されたのではと、“サリー”は国家運輸安全委員会から厳しい追及がされた。
ハドソン川への水面着陸は究極の決断なのか、それとも無謀な判断だったのか?
それとも、サリーの決断は正しかったのか?
“あの判断はもしかしたら誤った判断だったのでは?”と国家運輸安全委員会や一部マスコミの疑念で容疑者扱いされて、“英雄”扱いから一転したサリーは苦悩して憔悴していくいく・・・
2009年1月15日にアメリカ・ニューヨークで起こった奇跡的な生還劇として世界で広く報道された航空機事故を、パイロットであるチェズレイ・サレンバーガーの手記「機長、究極の決断“ハドソン川”の奇跡」をもとに、クリント・イーストウッド監督が初めてトム・ハンクスを主演に迎えて映画化。
見終わって思い出したのが2012年に公開されたロバート・ゼメキスの「フライト」。
「フライト」ではデンゼルワシントン演じる機長が飛行機事故から多くの人命を救いもするが、自身のアルコールと薬物依存症が暴かれていくといった、2009年1月15日の航空機事故を基に急遽製作された映画と比較してしまう。
乗客生還の大まかなあらすじだけをみれば「フライト」も「ハドソン川の奇跡」もかなり似たような映画の印象を受ける。
だが、旅客機が背面飛行するといったとんでも描写がウリだった「フライト」はフィクションであり、「ハドソン川の奇跡」は実際に起きた航空機事故からの生還劇を描くノン・フィクションである。
離陸からハドソン川に不時着するまでわずか6分間。
1時間35分近くの上映時間で何を描くのか?
世界で広く報道された航空機事故で結末を知っているなか、題材的には30分ぐらいで終わりそうなものをどう映画化するのだろう?と考えていたけれど、
映画前半は事故に至るまでを描き、
後半はシュミレーションで事故を検証していく公聴委員会でのやり取りを描く。
事実を無駄なく淡々と描く見せかた、ストーリーの時系列をずらしながら、飛行機事故への過程が描かれる構成がよく出来ていた。
鑑賞前に想像していた不安は何だったんだろうかと、86歳のおじいちゃん、いや、失礼しました・・・巨匠クリント・イーストウッドに多少な疑問を持つこと自体不敬きわまり無いと、僕は今更ながら自覚した ┐(~ー~;)┌
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■ キーワード
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「40年の経歴が、208秒の決断だけで疑われる・・・」
「川に“墜落”させた原因は? いや、“着水”です!」
「事故回避が不可能に近いなかで“なぜ成功したのか?”という要因。それは、変数“X”という存在だったからです。サレンバーガー機長、あなたの存在がその“X”です。」
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■ 映画の採点 ★★★★
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備考
100点満点で点数は★20点 ☆5点
★★★★★ 有数の傑作
★★★★ 見逃せない
★★★ 見応え充分
★★ 話題作だけど…
★ ダメだ、こりゃ…
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