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うまんちゅの惑星

50代。午年生まれ。夢を失い失望の連続で惑星の果てを彷徨ってる気分だが、“なんくるないさ”の気持ちで日々の出来事を綴る

ラッシュ プライドと友情

ラッシュ プライドと友情


原題:Rush
公開:2014/2/7
製作国・年:アメリカ、ドイツ、イギリス・2013年
配給:GAGA
上映時間:2時3分/CS/デジタル
鑑賞日:2014/3/8  シネマイクスピアリ(S8)

監督:ロン・ハワード
出演:クリス・ヘムズワース、ダニエル・ブリュール、オリビア・ワイルド、アレクサンドラ・マリア・ララ、ピエルフランチェスコ・ファビーノ、クリスチャン・マッケイ、アリスター・ペトリ、スティーブン・マンガン


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ジェームズ・ハント(クリス・ヘムズワース)とニキ・ラウダ(ダニエル・ブリュール)は宿命のライバル。
F3時代に出会ってお互いを意識して、F1参戦を目指してしのぎを削っていた。
その性格とレーススタイルはすべてが対照的。
ワイルドで天才肌のハントは、レースに挑む直前には嘔吐して震えながらも攻撃的で恐れ知らずの走行能力を発揮し、プライベートでも酒と女を愛する自由奔放なプレイボーイ。
ラウダはコースやマシンの知識が豊富で、レース運びまで全てを緻密に計算しつくす“走るコンピューターの異名”を持ち、ストイックでもありながら頭脳はレーサー。
1971年にF1デビューしたラウダは74年にスペインGPで初優勝後に一気にブレイクし、75年にはワールドチャンピオンに上り詰める。
一方、ハントもF1に参戦し、レースでの失格処分やスポンサーの資金難、そして妻との離婚騒動で公私とともに波乱が続いていたが、次第にラウダを追い上げていた。
ライバルのハントをポイントで大きく引き離していた1976年、
前年度総合優勝を果たして2連覇を目指すラウダとハントは、年間を通したチャンピオンの座を争って激しいデッドヒートを繰り広げていた1976年、
悪天候の中、ドイツのニュルブルクリンクで開催された第11戦ドイツGPでラウダの乗った車はクラッシュして大破してしう。
400度の高熱の炎の中に約1分間閉じ込められて救い出されたが、全身火傷で生死の境をさまよう瀕死の重傷に見舞われたにもかかわらず、奇跡的に6週間でレースに復帰を果たした。
ハントに年間累計ポイントで差をつめられていたチャンピオンシップを競う二人は、日本でで行われる最終戦、富士スピードウェイでの決選に持ち越されるのだが・・・

「ダ・ヴィンチ・コード」「アポロ13」のロン・ハワード監督が、歴史に刻まれた1976年のF1世界選手権を舞台にした実話を描く。


二人の天才ドライバー、ニキ・ラウダとジェームズ・ハントのレースへの情熱、ライバルへの嫉妬心が描かれるが、
映画からは熱いものが伝わってこない。
僕ら世代まではスーパーカーブームの真っ只中だったので、当時の男子にとって車への憧れはあったけれど、個人的には映画への興味が強かった為に、F1を含めてモータースポーツには今でも特に興味や関心がないせいであると思う。
映画自体はF1に詳しくなくても、F1マシンの音響とレースシーンの臨場感、当時の色彩感を写すロン・ハワードの映像作りは相変わらず安定感はある。

ラウダが「驚きは無いが、ただただ悲しかった。彼は僕が嫉妬したただひとりの男だ」とナレーションで語り、映画は幕を閉じる。
1970年代のF1では毎年25人のレーサーの中から2人は死ぬと云われていた。
死は20%のリスクと捉えるラウダは生き残り、
“人生は楽しまなくちゃ!”と話していたハントが心臓発作により、1993年に享年45歳で逝ってしまうのは皮肉でもある。


昨年の夏頃、オリジナルの予告を見たとき物凄く期待感があったけれど、サブタイトルの「プライドと友情」もセンスがないし、公開が近づくにつれて日本版の予告編のダサいバージョンを目にしたら妙な不安が起きて、マーケッティング的に失敗するんじゃないかなぁと思った。
案の定、興行的に拡がらない結果になりそうなのは残念である。







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■ キーワード
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「宿敵を恨むのではなく宿敵の存在を神の恵みだと思え。神は宿敵から学ぶんだ」


「死は、自分以外誰かに起こることだ」


「毎日が人生最後の日のように楽しもう」


「真面目な話、そんな顔で夫婦関係は続きますか?」


「幸せは敵だ・・・僕を弱くする。突然守るものができたから・・・」


「僕がこうなったのは確かに君のせいだ。僕は君の勝利を見て生きる希望がわいた。僕をここに引き戻したのも君なんだ」





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■ 映画の採点  ★★★☆☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…



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ウルフ・オブ・ウォールストリート

ウルフ・オブ・ウォールストリート


原題:The Wolf of Wall Street
公開:2014/1/31
製作国・年:アメリカ映画・2013年
配給:パラマウント
上映時間:2時59分/CS/デジタル
鑑賞日:2014/2/28  シネマイクスピアリ(S3)

監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー、マシュー・マコノヒー、ジョン・ファブロー、カイル・チャンドラー、ロブ・ライナー、ジャン・デュジャルダンジャン


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貯金0円から年収49億円。
1990年代に投資家に巨額の損失を負わせて証券詐欺とマネーロンダリングの罪で逮捕された実在の人物ジョーダン・ベルフォートの破天荒すぎる人生を、レオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシ監督が5度目のタッグを組んで描いた映画。

学歴もお金もないが、野心だけは売るほどあるジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)は、22歳でウォール街の投資銀行へ飛び込んだ。
会社の上司ハンナ(マシュー・マコノヒー)に「常にリラックスをするんだ。そのルール1、マスターベーションだ。私は日に二回はするが君はやっているか?。血のめぐりが良くなるぞ!」
そして「ルール2、コカインを使え。頭のキレが良くなるぞ!」と、鼻歌混じりで自身の哲学を教えられる。
影響を受けながら何とか資格を取って、念願の株式ブローカーとなった当日に“ブラック・マンデー”が起きて失業する羽目にあう。
しかし、ローカルの寂れた証券会社へ転職したあと、26歳という若さでドニー・エイゾフ(ジョナ・ヒル)を含む12人の仲間と共に証券会社ストラットン・オークモントを設立する。
“金は無いよりあったほうがいい! 俺が間違っていると思う奴は今すぐマクドナルドで働け!”と、社員を巧みな話術で魅了させ、顧客には一流企業の安全な株を売って信用させ、ペニー株(リスクの高い小型株)を売りつけるというワル賢いやり口でウォール街の注目を集めはじめて、会社は700人の従業員を使う大企業に育て、年収4900万ドル(49億円)の富を稼ぎ出していた。
しかし、ジョーダンは支えてくれた妻を捨てて、モデルの美女ナオミ(マーゴット・ロビー)と再婚、日中でもアルコールを欠かさず、ドラッグやセックスの乱痴気騒ぎのやりたい放題。
放蕩の限りを尽くして10年後の36歳になった時、破滅への影がベルフォートに忍び寄ってきていた・・・


ディカプリオは「華麗なるギャツビー」でも同じ株の不正取引で成り上がる設定だったが、この「ウルフ・オブ・ウォールストリート」では、ジャック・ニコルソンを彷彿させる狂演が炸裂している。
本年度の第86回アカデミー賞では5部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、脚色賞)でノミネートされ、ディカプリオにも受賞の期待があっけれども、結果はいずれも受賞を逃した。
因みにディカプリオのお尻に蝋燭を立てながらのSMプレイまで披露する体当たり演技には、そこまでしてもオスカーに執着するのだろうか?とふと感じずにはいられなかった。

しかし、
映画冒頭からディカプリオ演じるジョーダンが女性の尻からドラッグを吸う場面から始まり、ドラッグ描写の多さと“Fuck”という言葉の連発。
上映時間3時間、欲望の限りを尽くした男ジョーダンの生き方が痛快とは思えないし、このブッ飛んだ物語は過激であり、下品でありながらも後に何も残らない。

“フェラーリでフェラ”とか、叔母にあたる女性とのベンチでの会話でお互いに“誘惑している”という内なる声とか、意味がありそうで意味がないシーンも多くて、どれが物語の伏線になるのかわからないハチャメチャさではあるけど笑えない。
映画自体ブラックコメディと評されているのに、ラスト近く、地下鉄の車内でFBI捜査官が見つめる乗客の死んだような表情が印象に残るカットも唐突感が漂う感想を、いつものマクドナルドで朝マックをしながらまとめてる(*^-^)







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■ キーワード
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「このペンを私に売ってみせてくれ」


「 ブローカーに必要なのは?
   ドラッグとマスターベーションだ 」


「 皮肉だな・・・俺はみんなに決して引き下がるなって言ってきた。
   しかし、俺は身を引く。
     取引に応じた俺は偽善者だ。
      決めた。
       俺は引退はしないぞ! 」





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■ 映画の採点  ★★★☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…




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アメリカン・ハッスル

アメリカン・ハッスル


原題:American Hustle
公開:2014/1/31
製作国・年:アメリカ映画・2013年
配給:ファントム・フィルム
上映時間:2時18分/CS/デジタル
鑑賞日:2014/2/10  シネマイクスピアリ(S12)

監督:デビッド・O・ラッセル
出演:クリスチャン・ベール、ブラッドリー・クーパー、ジェレミー・レナー、エイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンス、ルイス・C・K、マイケル・ペーニャ、アレッサンドロ・ニボラ、ロバート・デ・ニーロ


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詐欺師のアーヴィン(クリスチャン・ベイル)と愛人のシドニー(エイミー・アダムス)は共に、金持ち連中からの詐欺で稼ぎながら完全犯罪を続けていたが、遂にFBIに逮捕された。
イカれたFBI捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)は自身の手柄を上げるために、彼らに対して自由の身と引き換えに別件の捜査協力を持ちかける。
それは、カジノタウンとして開発中のニュージャージー州アトランティックシティのカジノ利権に群がる政治家やマフィアらを罠に嵌めるという作戦だった。
ターゲットである市長カーマイン(ジェレミー・レナー)に対して架空のアラブ人大富豪を仕立てて近づくのだが、アーヴィンの妻ロザリン(ジェニファー・ローレンス)が夫の浮気への嫉妬から捜査協力作戦に介入してきた・・・。

1979年、アメリカで起こった米上院議員と5人の下院議員が有罪となった汚職スキャンダル「アブスキャム事件」を基に(アラブの悪行、の意)、詐欺師がFBIに協力した囮捜査によって真相を暴いた実話を含んで描くドラマ。

「ザ・ファイター」ではアカデミー賞6部門ノミネート、「世界にひとつのプレイブック」ではアカデミー賞8部門ノミネートと二作連続で賞選考レースに絡み、続いて本年度の第86回アカデミー賞では「ゼロ・グラビティ」と並び最多10部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、美術賞、衣装デザイン賞、編集賞)でノミネートされたデビッド・O・ラッセル監督の最新作。


頭が禿げていてカツラを使用して、体はブヨブヨのメタボ腹で詐欺師のアーヴィンを演じるクリスチャン・ベイルは実際に体重を増量して髪の毛まで抜いての役作りとの事であるが、今回ノンクレジットで出演していた、徹底した役作りの元祖デ・ニーロには可哀想だが僅かに及ばない(笑)
パンチパーマでキメているが、思い通りにならないとキレまくるFBI捜査官リッチーを演じるブラッドリー・クーパーって俳優は他の作品でも感じたけれど、どうも苦手で好きになれない。
ジェレミー・レナー演じる市長カーマインは汚職政治家という設定だけど、僕には家族思いで市民に思いを馳せる善人には見えるけど、政治家という風格が感じられないギャップ感。
ただ、アーヴィンの妻ロザリンを演じるジェニファー・ローレンスとシドニーを演じるエイミー・アダムスは露出度の高いグラマラスなファッションで映画に華を与えていて、ロザリンとシドニーが対峙するトイレのシーンだけが見物であるだけ。
現代版「スティング」との声もあるが、期待したほど面白くなかった。
巧妙な騙し合いやスリリングな駆け引きでもあるのかと思ったが、FBIと詐欺師たちと政治家による政治とお金を巡る淡々とした偽の取引の追いかけっこ、そこに恋愛のもつれ話がグタグタと続く・・・・
70年代の音楽とファッションを散りばめながら緊迫感もないし爽快感もないテンポの悪い物語でいささか消化不良気味でハッスルできない(“死ぬのは奴らだ”の音楽をバックに掃除するシーンだけちょっとハッスルしたかな・・・)。

ルイス・C・Kが演じるブラッドリー・クーパーの上司役が「おまえに良い話をしよう。その昔、俺と俺の兄貴は・・・」という釣りの話のオチだけは気になるが・・・







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■ キーワード
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「 人は自分が“信じたいもの”を信じる。
   さて、巨匠はどっちなのか? 画家なのか? 贋作画家なのか? 」


「 人は欲求を満たすために騙し合う。そして、やがては自分自身も騙す。
   俺は“騙される側”より“騙す側”でいたい。 」


「私はリアルに生きたいの。偽りの人生はもう嫌よ・・・」


「人って、腐った生き方しか選べないこともあるのよ」





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■ 映画の採点  ★★☆☆☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…


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