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うまんちゅの惑星

50代。午年生まれ。夢を失い失望の連続で惑星の果てを彷徨ってる気分だが、“なんくるないさ”の気持ちで日々の出来事を綴る

ハッシュパピー バスタブ島の少女

ハッシュパピー バスタブ島の少女

原題:Beasts of the Southern Wild
公開:2013/4/20
製作国・年:アメリカ映画・2012年
配給:ファントム・フィルム
上映時間:1時33分/V/デジタル
鑑賞日:2013/4/26  シネマイクスピアリ(S15)

監督:ベン・ザイトリン
出演:クワベンジャネ・ウォレス、ドゥワイト・ヘンリー


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制作費200万ドル(約1億8千万円)の低予算の映画作品でありながらも、無名の新人監督のベン・ザイトリンと、4000人のオーデションを経て選ばれた6歳のハッシュパピー役のクワベンジャネ・ウォレスに脚光が浴びて、第28回サンダンス映画祭で最高賞のグランプリと撮影賞を受賞。
第65回カンヌ映画祭ではカメラドール(新人賞)など4冠受賞、本年度の第85回アカデミー賞で作品賞ほか4部門にノミネートされた話題作。


ハッシュパピー(クワベンジャネ・ウォレス)は6歳の少女。
彼女は世界の果てのような湿地帯にあるコミュニティー“バスタブ”で、父親のウィンク(ドゥワイト・ヘンリー)と、さまざまな動物たちと自由気ままに暮らしていた。
文明社会から隔絶された彼女は動物と会話ができ、いつか自然界の秩序が崩壊して、氷河に閉じ込められていた獰猛な“オーロックス”が目覚めると信じていた。
ある日、大嵐が襲来したことをきっかけに“バスタブ”は水害で崩壊。
さらに、父親のウィンクが重い病気にかかっていることを知った・・・


大嵐に襲われて、住んでいる村が沈む。
余命僅かな父親。
六歳の少女の前に立ちはだかる厳しい現実。
壊れていく生活を、少女の視点で物語は語られる。

史上最年少でのアカデミー主演女優賞ノミネートを果たしたハッシュパピー役のクワベンジャネ・ウォレスは注目するが、映画は温暖化による環境破壊や貧困問題の中で“生きる”とは、という厳しくも抽象的な寓話であり、ドキュメンタリー調の荒削りなインディペンデントムービーと割り切れば悪くはない。
だけど、物語としては悪くはないけど、感情に響かないのはやはり演出と編集が良くないからだろうと思う。
ふと、映画を観ている間、ティム・バートンがこの映画の監督だったらどうなんだろうかな、と思ってもいた。







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■ キーワード
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「この世界はちょうどよく組み合わさっている。ほんの小さなカケラでも崩れたら、世界全体が崩れちゃう。」


「オーロックス」


「目を閉じると、まわりには私を創った全部が、目に見えない姿で飛んでいる」


「私も大きな世界の小さなカケラ」





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■ 映画の採点  ★★☆☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…


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ジャンゴ 繋がれざる者

ジャンゴ 繋がれざる者

原題:Django Unchained
公開:2013/3/1
製作国・年:アメリカ映画・2012年
配給:ソニー・ピクチャーズ
上映時間:2時45分/CS/デジタル
鑑賞日:2013/4/12  シネマイクスピアリ(S9)

監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ジェイミー・フォックス、クリストフ・ワルツ、レオナルド・ディカプリオ、ケリー・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソン


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時は1858年、南北戦争の二年前。
奴隷制度がはびこるアメリカ南部。
奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は支配者であるブリトル三兄弟に痛めつけられて人間性を奪われ、妻ブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)から引き離されて荒野を引き摺られていた。
ドイツから来て賞金稼ぎに転職した元歯科医者シュルツ(クリストフ・ワルツ)は、お尋ね者のブリトル三兄弟の顔を知っていた奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)と荒野で出会い、彼を奴隷の身から解放させる。
ジャンゴは自由との引き換えに、シュルツと共にお尋ね者の追跡の旅に向かう。
シュルツから銃の手ほどきを受けて射撃の腕を磨き、賞金稼ぎの片腕となった彼の目的は妻を救い出すこと。
お尋ね者を追うアメリカ横断の旅で、シュルツとジャンゴは妻ブルームヒルダが捕らわれた農園“キャンディランド”にたどり着くのだが、そこで待ち受けていたのは冷酷で残忍な農主ムッシュ・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)だった・・・

本年度アカデミー賞で助演男優賞(クリストフ・ワルツ)と脚本賞(クエンティン・タランティーノ)を受賞した、クエンティン・タランティーノが監督・脚本を手がけるアメリカ黒歴史の西部劇。


これまでの西部劇映画にはアメリカの奴隷制度という事実に触れない物語が主流だったことが、映画製作の動機だったと、タランティーノのインタヴューにあった。
近年、ようやく黒人に対する差別や拷問がむごかった事実が、エンターティメントの題材でも取り上げられてはきたけど、タランティーノは逃げた黒人奴隷を犬に食わせたり、黒人同士を死ぬまで格闘せたりと、感情を呼び覚ますやり過ぎな伏線を仕掛けて、ジェイミー・フォックス演じる黒人の主人公ジャンゴが悪党どもを撃ちまくり、血しぶきが舞い、肉片が飛び散る壮絶な銃撃戦にシーンには、特に黒人観客にとってはさぞかし爽快感でいっぱいだったんだろうなと、想像できる。

だけど、退屈はしないけど、面白いとは感じなかった。
極悪人キャンディを演じるレオナルド・ディカプリオと、黒人差別主義者を演じるサミュエル・L・ジャクソンは快演しているが、ジェイミー・フォックスは影が薄い。

個人的にタランティーノの映画はどれも面白いとは感じない。
なにか“喰えん”し“足らんつーの”って感じ。
タラちゃんファンからは不感症かと野次られそうではあるけどね (;´∀`)







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■ キーワード
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「“D”は発音しない」


「確定的に死んだ」


「復讐に我を忘れてはいかんぞ」


「賞金稼ぎの世界では汚い“真似”も許される」


「あいつは一体何者だ?」






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■ 映画の採点  ★★★☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…



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フライト

フライト


原題:Flight
公開:2013/3/1
製作国・年:アメリカ映画・2012年
配給:パラマウント
上映時間:2時18分/CS/デジタル
鑑賞日:2012/4/5  シネマイクスピアリ(S8)

監督:ロバート・ゼメキス
出演:デンゼル・ワシントン、ドン・チードル、ケリー・ライリー、ジョン・グッドマン、ブルース・グリーンウッド、メリッサ・レオ、ブライアン・ジェラティ


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フロリダ州オーランド発、アトランタ行きの旅客機が高度3万フィートの上空を飛行中、原因不明のトラブルに見舞われて急降下を始める。
機長のウィトカー(デンゼル・ワシントン)は制御不能となった機体をとっさの判断で背面飛行をさせて機体を安定させた後、草原に緊急着陸をさせた。
他のパイロットには不可能で奇跡的な操縦の決断が、乗員乗客102人中、生存者96人の人命を救い、一夜にして国民的英雄となる。
しかし、事故調査の過程でウィトカーの血液中からアルコールが検出された・・・
英雄から一転、疑惑が浮上したウィトカーの苦悩は関係者を巻き込む思わぬ事実が暴かれてくる・・・
彼は英雄なのか、それとも犯罪者なのか・・・


映画の中で航空機事故を描いた「生きてこそ」、「キャスト・アウェイ」のほうが映画的には面白い。
昔の「エアポート」シリーズをはじめ、航空機事故を描いた映画は迫力に乏しく現実感から程遠い感じだったが、この映画の冒頭30分は迫力のフライト映像はリアルに描かれている。
問題は事故後の映画の展開である。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ、「フォレスト・ガンプ 一期一会」のロバート・ゼメキス監督作品で上半期期待していたのだが、心理描写を描く人間ドラマとしては物足りない出来だった。

デンゼル・ワシントン演じるウィトカー機長が何故アルコール依存症になったのか?
ウィトカーの日常生活から見えるアルコール依存症、意思の弱さ、そして嘘との葛藤は、
内面の変遷をたどる物語としての緻密さを感じない。
連邦政府調査官側の視点もあれば人間ドラマの緊迫感が増して観る人を惹きつけられたのではないかと思った。


しかし、ゼメキスは、ストーリーテラーとしては保守的になって躍動感がなくなったよなぁ。







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■ キーワード
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「彼女と出逢う為に、あんたは助かった」


「これは、神の仕業だ」


「うまくつぶした、あとは君次第だ」






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■ 映画の採点  ★★★☆☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…



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