
原題:The Dark Knight Rises
公開:2012/7/28
製作国・年:アメリカ映画・2012年
配給:ワーナー・ブラザース映画
上映時間:2時45分/CS/デジタル
鑑賞日:2012/9/10 サザンプレックス(S6)
監督:クリストファー・ノーラン
出演:クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、ゲイリー・オールドマン、アン・ハサウェイ、トム・ハーディ、ジョセフ・ゴードン=レビット、モーガン・フリーマン、マリオン・コティヤール、マシュー・モディーン、リーアム・ニーソン
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遅ればせながら、クリストファー・ノーラン監督による「バットマン ビギンズ」「ダークナイト」に続くバットマンシリーズの完結編「ダークナイト ライジング」を鑑賞してきた。
ジョーカーとの死闘から8年後、平和を保つゴッサムシティにはバットマンの存在の必然性はなかった。
トゥーフェイス/ハービー・デント殺害の罪をかぶり、バットマンの仮面を脱いだ大富豪ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)は邸宅に引きこもっていた。
しかし、マスクで顔を隠した残虐な強敵ベイン(トム・ハーディー)がゴッサムシティに現れて、街の破壊を始める。
ブルース・ウェインは、執事アルフレッド(マイケル・ケイン)の制止を振り切り、バットマンに扮してベインとの対峙へと突き進んでいく…
上映時間2時間45分、退屈はしないが、前作「ダークナイト」のクオリティには及ばない。
オープニングの飛行機の宙吊りシーンから、ラグビー試合をしているスタジアムの崩壊シーン、宙吊り橋の崩壊シーンなどの見せ場があって、パワーダウンはしていない。
シリーズを通してちりばらめられた伏線への回答も提示されているけれど、カタルシスが得られないのだ。
バットマンにも、悪役のベインにも共感する動機が感じられない。
破産して、戦ったベインにも敗れて、精神も体力もどん底に落とされたバットマン/ブルース・ウェインと、“地獄から這い上がってきた邪悪な男”ベインとの対軸のベクトルがズレているのだ。
ゴッサムシティの人たちの日常が描かれていない事や、劇中“もうすぐ嵐がくる。覚悟したほうがいい。何故自分達だけが永遠に甘い汁を吸えると信じてきたのかを・・・”との台詞があるのに、富裕層による富の独占、国家や政治への不信に対する背景の描き方も弱い。
影の同盟がゴッサムシティを灰と化す計画と、父親殺害の復讐の動機が入り混じり、戦うための大儀って何なのって思ってしまう。
そして、悪役ベインはバットマンをねじ伏せる強烈さを描きながら、最期があっけなくて、その中途半端さが釈然としない。
バットマンのリブートでこだわりぬいた世界観を確立し、善と悪の普遍的な問題を、思想や哲学の領域まで踏み込んで描き、度肝を抜かされた「ダークナイト」。
前作があまりにも凄すぎた。
三部作の完結編としては及第点ではあるのだが、それでもクリストファー・ノーランどうしたのだろう?と不思議に思う。
ヒース・レジャーの死が影響しているのだろうか、それとも重責で心身ともに疲労があるのかと思ってしまう。
因みに、アン・ハサウェイより、僕はミシェル・ファイファーのキャットウーマンが好きだな
(=^. .^=)ミャー
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■ キーワード
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「権力者達と金持ちは引きずり出せ。我々が味わってきた冷酷な世界へ」
「俺は光とは無縁に生きてきた。闇に生まれ闇に育てられた。 影はお前を裏切った、影は俺のものだ」
「あなたが街のカフェにいるところを想像します。隣に奥様がいて、子供もいる。私もあなたも声をかけないけど、幸せだとわかるのです」
「目の前の希望があるから、真の絶望がある」
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■ 映画の採点 ★★★☆☆
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備考
100点満点で点数は★20点 ☆5点
★★★★★ 有数の傑作
★★★★ 見逃せない
★★★ 見応え充分
★★ 話題作だけど…
★ ダメだ、こりゃ…