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うまんちゅの惑星

50代。午年生まれ。夢を失い失望の連続で惑星の果てを彷徨ってる気分だが、“なんくるないさ”の気持ちで日々の出来事を綴る

マディソン郡の橋

マディソン郡の橋

マディソン郡の橋

ロバート・ジェームズ・ウォーラー 著
村松 潔 訳



■ISBNコード: 4-16-725423-9
■判型/総ページ数: 文庫/241ページ
■価格: 524円(税別)
■発売年月日: 2007年11月15日 八刷
■発行元: 文藝春秋






最近、積読の文庫を手にするのだが、最初の十数ページで放り投げてしまう始末。
読みたいと思いながらも、何だか気力もないしシンドイと感じるのも影響しているのだろう。
とにかく、活字離れしないように意識だけは心掛けていたいと思うのだが。

そんな中、GWの有り余った時間に、踏ん張って「マディソン郡の橋」読了。


◇ はじまり 
◇ ロバート・キンケイド 
◇ フランチェスカ 
◇ 古代の夕べ、はるかな音楽 
◇ 火曜日の橋 
◇ ふたたびダンスのできる余地 
◇ ハイウェイとハヤブサ 
◇ 灰 
◇ フランチェスカの手紙 
◇ あとがき タコマのナイトホーク


アイオワ州マディソン郡。
屋根付きの橋の写真を撮るために訪れた写真家のロバート・キンケイドは、橋の近くに住む農家の主婦フランチェスカと出会う。
人生の半ばにさしかかった中年の男と女の四日間の恋。
それぞれが互いを一生のパートナーとして想いつつも、フランチェスカは家庭を捨てられず、二人は互いの事を一生心に秘めて生きていく。


20年前に話題になって、クリント・イーストウッドとメリル・ストリープが共演して映画化もされた。
読む人によっては絶賛の声もあった恋愛小説だったが、歳を重ねた今読むと、本としてのクオリティは低い。

昔の僕はロマンチストで、未来の人生に多少のふわふわ感を期待したものだった。
もしもあの頃の自分にタイムスリップして遭えるのならば、ニヤケタ顔をつねって、夢破れてときめくハートさえ持ち合わせていない中年男のお先真っ暗な現状を教えてやりたいと思う …(;^ω^A





印象に残るキーワード



「彼女はふわふわ漂っていた。解き放たれた、奇妙な感覚だった」

「Z次元からの墜落」

「分析は全体をだいなしにする。ある種のものは、魔術的なものは、全体としてみなければならない。個々の断片を見れば、それは消えてしまうんだ」

「アマチュアリズムの美徳」





本書の採点  ★★★



備考

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  読み応えあり
★★★   まぁまぁかな~
★★    思ったより期待はずれ
★     ダメだ、こりゃ~


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ヘルプ 心がつなぐストーリー

ヘルプ 心がつなぐストーリー


原題: The Help
公開:2012/3/31
製作国・年:アメリカ映画・2011年
配給:ウォルト・ディズニー
上映時間:2時26分/V.V/デジタル
鑑賞日:2012/4/20  シネマイクスピアリ(S7)

監督:テイト・テイラー
出演:エマ・ストーン、ジェシカ・チャステイン、ビオラ・デイビス、ブライス・ダラス・ハワード、アリソン・ジャネイ、オクタビア・スペンサー


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■


舞台は1960年代のミシシッピー州。
作家志望のスキーター(エマ・ストーン)は、大学卒業後に帰郷した。
女友達は皆、結婚や出産をして、家事や育児を黒人のメイド達に任せ、気楽な生活を送っていた。
黒人メイドに育てられたスキーターは、何も告げずに自宅去ったコンスンティンのことに対して疑念を抱くが、スキーターの母(アリソン・ジャネイ)はその理由さえ言わず、早く結婚をして家庭を持ってくれる事を願っていた。
彼女は地元の新聞社で家事の相談にのるコラム担当の為に、友人のメイド、エイビリーン(ヴィオラ・デービス)に手伝を依頼する。
スキーターは黒人メイドに対する友人たちの態度に違和感を覚えはじめ、メイド達の本音を本にまとめようとエイビリーンに対して協力を要請するが、断られてしまう。
その南部という地域社会で生きる黒人の彼女達にとって真実を語ることは、すべてを失ってしまう意味だった。
そんな折、メイドのミニー(オクタヴィア・スペンサー)が、雇い主の家のトイレを使ったことで解雇されたことを知ったエイビリーンは、スキーターに“心の声”を語り始めた。
やがてこの小さな町にも黒人メイド達の“心の声”の波のうねりが変革をもたらしはじめてくる…


白人が黒人に対して接触すると病気が移ると信じている。
黒人の子と白人の子は教科書の貸し借りもダメ。
黒人は白人が使用している道路を通らずに遠回りをしたり、バスの席も黒人と白人で別々。
家のリセールバリューの為にはメイド達に室内のトイレを使用禁止にして、屋外専用に別々に作ったり、メイドは玄関から入れず勝手口からしか家には入れない。
そんなメイドに対して「人種分離法」という杓子を使いながら、自分の子供達の世話をさせる矛盾さ加減。
白人女性と黒人家政婦たちの人種差別の重いテーマだが、映像が明るくてカラフルで語り口にもユーモアな部分もあり、深刻で重苦しい気分一辺倒にならないトーンで描かれて、見終わっても疲労感が残らない良作になっている。

物語に男が絡まないのに、それぞれの女優たちを見ているだけでも飽きないのは映画のテンポがいいのと、監督の手腕が優れているからだろう。
シシー・スペイセク、メアリー・スティーン・バージェンといった脇役を使う辺りにも抜かりは感じない。
特にジュリア・ロバーツに似ているなぁと思った、シーリア役のジェシカ・チャスティンが好演していて輝いていたと思う。


人種差別を扱う忘れられない映画と言えば、30年前に見たアラン・パーカーの「ミシシッピー・バーニング」が、重苦しい強烈な印象だったことを思い出す。
世界中から身の回りまでで起きている差別意識や偏見、不条理な意識は人間である限り無くならない問題だろうと思うが、この「ヘルプ」のように映画やテレビドラマで常に視点を変えながら描き続けていくことが、変化への芽が絶やされない希望になると思う。


因みに友人だと思っている人からチョコレートパイを戴いた際には、念の為にレシピを聞いておくほうが無難と思う・・・







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■ キーワード
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「私の祖母も、家事をする奴隷だった」


「二切れのヒリー様」


「私が怖いのは視線です。分離法ではないんです」


「“お嬢ちゃんはやさしい子”“お嬢ちゃんは賢い子”“お嬢ちゃんは大切な子”」





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■ 映画の採点  ★★★★
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…



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スーパー・チューズデー/正義を売った日

スーパー・チューズデー/正義を売った日


原題: The Ides of March
公開:2012/3/31
製作国・年:アメリカ映画・2011年
配給:松竹
上映時間:1時41分/CS/デジタル
鑑賞日:2012/4/13  シネマイクスピアリ(S15)

監督:ジョージ・クルーニー
出演:ライアン・ゴズリング、ジョージ・クルーニー、フィリップ・シーモア・ホフマン、ポール・ジアマッティ、マリサ・トメイ、ジェフリー・ライト、エバン・レイチェル・ウッド


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大型家電店でデジモノをウォッチしながら何気に店内の壁面ミラーに写る自分の顔が、ジョージ・クルーニーに似ているなぁと思った。
あくまでも濃い顔のことを言っているのだが、加えて背丈があれば、和製ジョージ・クルーニーとして我が人生も豊かに成り得ただろうな、と妄想していている僕は疲れているかも知れないけれど、病んではおりません。
たぶん・・・(^^;)
・・・という理由ではないけれど、「フィクサー」、「マイレージ・マイライフ」でジョージ・クルーニーの良さを認識した僕はこの作品も楽しみにしていたが、面白みに欠ける期待はずれの映画だった。
物語のスリリングさやキャラクターに魅力があればもう少し評価できたかも知れないけれど、大まかにいえばテレビのサスペンスドラマのようなレベルだった。
主演のライアン・ゴズリングは最近注目されている俳優のようだが、ジョージ・クルーニーやフィリップ・シーモア・ホフマンような魅力が感じられない。


映画は
次期大統領を目指す州知事モリス(ジョージ・クルーニー)の選挙キャンペーンチームで働くスティーヴン(ライアン・ゴズリング)はモリスの清廉潔白な人柄や政策に心酔していた。
しかし、ライバル陣営の選挙参謀との密会や、選挙スタッフであるインターンの女性との親密な関係がスティーヴンのキャリアに予測不能な闇が待ち構えていた…という内容。

ジョージ・クルーニーが監督、製作、脚本、そして主役ではないが存在感ある大統領候補役を演じて、大統領候補者、選挙参謀スタッフ、ライバル陣営、勝敗の鍵を握る代議員、ネタを求める女性新聞記者、敵味方が絡み合って選挙情勢が刻々と変化していくスーパー・チューズデーの人間模様と選挙戦の裏側を描く。
因みにスーパー・チューズデーとは、大統領選が行われる年の3月の中旬の火曜日に多くの州で予備選挙や党員大会が行われ、共和党と民主党の候補者が本選前の各党の代表者を決める、文字通りアメリカ合衆国大統領選最大の「山場」のことだそうだ。



3.11以降のこの国を覆っている現実を思うと、この映画で描かれる“正義”“モラル”“陰謀”など、政治や政治家に対する理想には虚しさしか感じない。
先日、大竹まことがラジオの番組で、“ある自民党の著名な議員が、テレビの収録前に挨拶の声をかけても無視する子供じみた態度をし続け、その人間性を疑うし、そういう議員が最近は多い。僕は彼らより横山ノックのほうに人間くささを覚える”と話していた。
確かに日本人は選挙の度に、政治家に対して人柄の清廉潔白さ、良心や思想などを求めてきたが、果たしてそれだけが正しい選択だろうかと心底思う。






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■ キーワード
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「私はクリスチャンでも、無神論者でも、ユダヤ人でもイスラム教徒でもない。私の宗教は合衆国憲法だ」


「ミスしたんじゃない。君は選択したんだ」


「信じる大儀があれば、僕はどんなことでもする」






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■ 映画の採点  ★★☆☆☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…


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GALA湯沢 (2012.4.8)

2:55 起床。


3:55 練馬ICより高速使用。


5:15 赤城PAで10分程休憩。


6:05 湯沢ICで高速を下りて、近くのセブンイレブンで3500円のリフトパック券(食事1000円分、入浴料1000円分付)の購入と朝食。




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6:40 GALA湯沢到着。
天気は快晴、気温は-4℃


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11:10 早めのランチタイム。

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選んだのはラーメン(900円)。



食事と休憩の後、午後の部のスキータイムへ。


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17:25 スキー終了。

この日のリフト使用は40回。


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17:40 GALA湯沢のすぐそばにある温泉施設「湯元共同浴場 山の湯」へ向かう。

入浴料金は400円。
川端康成も浸かったという源泉かけ流しの湯で、泉質は単純硫黄温泉で無色透明、かすかに硫黄臭がする。
浴室は広くない。
こじんまりした湯船は5~6人で窮屈な感じ。
洗い場にはシャワーがなくお湯と水がでる蛇口のみで不便ではあった。
遊び疲れた体がリフレッシュ。


18:45 東京に向けて山の湯を跡にした。

18:50 湯沢ICから高速使用。

20:40 練馬IC通過。

21:25 環七沿いのすき家で夜食。

21:45 東京着。

往復走行距離は421.4km。
翌日仕事という日程の中、今回も仕方なく日曜日に滑ってきたが、前回の白馬方面に行ったことを比べると疲労度はだいぶ落ちるので良かった。

これで今シーズンのスキーは終了。
来シーズンも、体力的にも経済力的にもスキーが出来れることを願うばかり。



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ヒューゴの不思議な発明

ヒューゴの不思議な発明


原題: H U G O
公開:2012/3/1
製作国・年:アメリカ映画・2011年
配給:パラマウント
上映時間:2時06分/VV/DOLBY・SRD
鑑賞日:2012/4/2  シネマイクスピアリ(S14)

監督:マーティン・スコセッシ
出演:エイサ・バターフィールド、クロエ・グレース・モレッツ、サシャ・バロン・コーエン、ベン・キングズレー、ジュード・ロウ、レイ・ウィンストン、クリストファー・リー


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1930年代のフランス、パリ。
火事で父親を亡くした少年ヒューゴは、父が残した「機械人形」に“希望”を託して、駅の時計塔に隠れて暮らしていた。
ヒューゴは、その父が心ときめかせていた壊れた機械人形を直したい想いで、駅構内のおもちゃ屋から部品を盗もうとするが、店主ジョルジュに現場を押さえられて、機械人形の修理方法を記したノートを取り上げられてしまう。
ノートを取り返す為にジョルジュのあとをつけたヒューゴはその家で、両親を亡くしてジョルジュの養子となった少女イザベルと出会い、親しくなっていく。
やがて、イザベルが機械人形の修理に必要なハート型の鍵を持っていることに気づいたヒューゴは、イザベルといっしょに機械人形に鍵を差し込んで回し始めると、「機械人形」が動き出して、人形に秘められた秘密と、イザベルの養父で無愛想なジョルジュの封印された知られざれる過去の世界へ導かれていく・・・

今やアカデミー賞常連組のマーティン・スコセッシ監督が描く3Dファンタジー作品。
今年の第84回アカデミー賞では作品賞含む11部門で同年最多ノミネートされ、「アーティスト」と競い合い、主要部門は逃したけれど、撮影賞、美術賞、視覚効果賞、録音賞、音響効果賞の計5部門受賞した。


僕は「アバター」以降、3Dで映画を見ることを断念しているので、この作品も2Dで鑑賞した。

伝説の映画監督ジョルジュ・メリエスの半生が物語の軸になっている。
1861年、フランス生まれの彼は手品師だったが、リュミエール兄弟の映画を見て感動をして、映画作りに没頭していく。
映画にストーリーを持たせたり、カット割りを使用したりと、新しい技法と独自のイマジネーションを駆使して、海底や遺跡、月へ冒険する映画などを500本以上制作し、今でいうSFXの創始者と言われている。
ジョルジュの代表作で、顔のある月にロケットが突き刺ささるサイレント映画「月世界旅行」は、この作品の中でも効果的に使用されている。

時計台や駅構内を駆け抜けるカメラワークや、絵本の中にいるような色彩の映像や、「映画の父」ジョルジュ・メリエスへの映画創世記時代へのオマージュ溢れる内容は伝わるけれど、どうも過大評価じゃないの?!というのがぼくの感想。
撮影や美術など、テクニカル面、特に3Dに対する評判が高かったようだが、映画を見終わったあと、あきらかにティム・バートン向きの題材じゃないかな、と思った。
スコセッシがこの手のファンタジックな題材を描くには無理のある内容で、あのスピルバーグが手掛けてもあざとくなったんじゃないかな思う。


映画のなかで「人は目的を失うと、壊れてしまう・・・」という台詞はまさしく僕に当てはまる。

映画の仕事に夢中で取り組んできた僕も、突然に仕事を辞めた時から約1年近くの記憶が今だに想いだせないのである。
確かに目的を失い、流されるままに日々を過ごしていることは、挫折の感情を自分で消化しきれていないと、頭では解っているつもりでいる。
夢破れた傷心と言えば大げさかもしれないが、まともな人から見れば完全に僕の生活スタイルは壊れているように見えるんだろうなぁとは思っている。

10年近くも車上生活をしながら、この先の展望も今だに見えてこないし、肉体も精神も壊れたままの僕ではあるけれども、幸いにして最悪な結末を選ばない理由は“映画”と“スキー”という楽しみがあるからなのかもしれない・・・
壊れた僕の修理に必要なものは、ハート型の鍵の代わりに、麗しき女性との出遭いの鍵があれば、僕の記憶も蘇えると思う。
たぶん ┐(~ー~;)┌







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■ キーワード
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「この世は時間がすべて。“時間”“時間”“時間”」


「壊れた機械を見てると可哀想に思う。目的を果たせずにいるんだ。人間も同じさ。」


「夢はどこで生まれると思う?“ここだ”」


「世界がひとつの大きな機械なら、いらない部品なんてひとつもないんだ。“僕はこの世に必要な人間だ。理由があってここにいる”」






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■ 映画の採点  ★★★☆☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…



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