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うまんちゅの惑星

50代。午年生まれ。夢を失い失望の連続で惑星の果てを彷徨ってる気分だが、“なんくるないさ”の気持ちで日々の出来事を綴る

スター・ウォーズ 最後のジェダイ

原題:Star Wars:The Last Jedi
公開:2017年12月15日
製作国・年:アメリカ映画・2017年
配給:ウォルト・ディズニー
上映時間:2時32分/CS/4K D
鑑賞日:2018/1/1  シネマイクスピアリ(S4)

監督:ライアン・ジョンソン
出演:デイジー・リドリー、ジョン・ボヤーガ、オスカー・アイザック、アダム・ドライバー、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、ルピタ・ニョンゴ、、アンディ・サーキス、ドーナル・グリーソン、グウェンドリン・クリスティー、ケリー・マリー・トラン、ローラ・ダーン、ベニチオ・デル・トロ、ヨーナス・スオタモ、ジミー・ビー

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年末のクリスマスを過ぎた頃から風邪の症状で体調が悪かったけれども
元旦に「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」を鑑賞する為に劇場に向かった。
劇場で映画鑑賞をするのは2016年10月に見た「ハドソン川の奇跡」以来1年に2ヶ月ぶり。

1月1日の映画観賞は意外とお勧めだと思う。
この日のイクスピアリの館内も空いていた。
正月三が日で映画を鑑賞するなら比較的空いている1月1日が断然良い。
映画の日で料金は安いし、2日、3日に比べると観客が少ないのが断然いい。


「スター・ウォーズ フォースの覚醒」に続くジェダイの再生を描く新三部作の第2章で、シリーズ最新8作目「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」は、伝説のジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーを中心に、帝国軍の残党で作られた悪の組織“ファースト・オーダー”と帝国軍を壊滅に導いたレイア(キャリー・フィッシャー)率いるレジスタンス達との物語が描かれる。

もう、銀河には平和が戻らなくてもいいや‥‥
というのが観賞しての感想です (-.-;)y-~~~

なんだか、もう艦隊のバトルシーンなどのビジュアルSFXにも特段の驚きも感じられなくなってきた。
ほとんどのキャラクターが前作に引き続き登場しているなか、だからこそ、物語に引き込まれる設定が欲しいのに、プロット部分の表層をなぞるばかりで、様々な難題はあるにしても世代交代はやむなしとばかりにスター・ウォーズワールドがとんでもない方向に行きそうな設定と展開には心を揺さぶられたり感情移入さえできない映画になっていた。

これまで映画の中で使われてきた“フォース”に関する知識も“えっ?”と感じる場面が多かった。
おいおい、フォースの解釈がここまで変わっていいの?って感じ。
敵の設定も割り切れない。
“スノーク”とかいうシディアスもどきの悪の指導者の存在背景と、何故、帝国軍の残党で作られた“ファースト・オーダー”という悪の組織がこんなに勢力を拡大しているのか?
カイロ・レンとの関係も詳しい背景などが解らないうちにスノークはあっけなく死んでいく。

「スター・ウォーズ フォースの覚醒」から始まったディズニー製作による新三部作の第二章。
新しい時代の“スターウォーズ”として、ジョージ・ルーカスが外れる形で製作が再開されて、「スター・ウォーズ フォースの覚醒」は過去のルーカス作品を超える空前の大ヒットになったのだが、この第二章は「中国」での興行成績を意識して、アジア系の新キャラクターのローズという女性(ケリー・マリー・トラン)の配役を設定しているんだなと思うのだが、観客を物語の世界に引き込む魅力や説得力がない。

本音で言えば「スター・ウォーズ」サーガを観てきて、このシリーズは心を揺さぶられる映画だとは思わない。
最初に公開されたエピソード4「スター・ウォーズ」とエピソード5「帝国の逆襲」が点数を付けるとしたら80点レベルで、後の作品はお祭りに参加している感覚で観賞してきたに過ぎない。
だからこそ、ルーカスが作り上げてきたこれまでの「スター・ウォーズ」の思想と世界観の設定を無視しているのには腹が立つ。

因みにディズニーが目論んだ中国での興行成績は惨敗らしい。
ディズニーよ、浅ましいぞと本当に思う。
そういや、20世紀フォックスの買収もほぼ決定のディズニーさんよ、いずれ帝国は滅びるぞと念(“フォース”)をかけておくことにした。





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■ キーワード
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「ルーク、まだ地平線を眺めているのかい? ジェダイの本などどうせ大して面白くもないじゃろ…そんなもんは燃やしてしまえ」


「私は最後のジェダイではない。私には一つだけ解っている真実がある。それは“ジェダイは滅びる時がきた”ということだ。」


「失敗こそ最も偉大な先生だ」


「あなたがカイロを見捨てたんじゃない。カイロがあなたを見捨てたのよ。私はそうはしないわ。」





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■ 映画の採点  ★★★
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…

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ハドソン川の奇跡

ハドソン川の奇跡


原題:Sully
公開:2016年9月24日
製作国・年:アメリカ映画・2016年
配給:ワーナー・ブラザース
上映時間:1時36分/CS/DOLBY・SRD
鑑賞日:2016/10/1  シネマイクスピアリ(S3)

監督:クリント・イーストウッド
出演:トム・ハンクス、アーロン・エッカート、ローラ・リニー


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2009年1月15日、
ニューヨーク発シアトル行きの旅客機は乗客155人を乗せてラガーディア空港を離陸した。
USエアウェイズのカクタス1549便は上昇過程の途中に渡り鳥の群れに遭遇して、両翼のエンジンに鳥の群れを吸い込んだ・・・
そして、バードストライクで両エンジンは停止してしまった。
ジェフ・スカイルズ副機長(アーロン・エッカート)はエンジン再起動を試みるがエンジンは繋らずに制御不能状態になった。
SOS信号をキャッチした管制官は飛び立ったラガーディア空港か近隣の空港への緊急着陸の指示を出した。
操縦桿の制御を副機長から代わったチェズレイ・“サリー”・サレンバーガー機長(トム・ハンクス)は、推力を失った機体が急速に滑空高度を落としていくなかで、眼下に広がるハドソン川への水面着陸を判断した。
“衝撃に備えよ”と機内アナウンスされると同時に戸惑う乗客たち・・・
サレンバーガー機長は動力なしの飛行機を低速度でマンハッタン上空を推力停止のまま滑空させてハドソン川に不時着させた。
幸いにも飛行機は破損せずに水上に浮かんだまま、駆けつけた救助活動の人々によって乗客全員が救われた。
危機発生から着水までの判断に要した時間はわずか208秒。
サリーは最悪の事態になりうる航空機事故から乗客155人全員の命を救って、世界からハドソン川の奇跡と“英雄”扱いの称賛を受けた・・・
しかし、不時着以外の選択肢は無かったのか?
事故後に検証されたさまざまなデータやシュミレーションでは最寄の空港へ戻れることが実証されたのではと、“サリー”は国家運輸安全委員会から厳しい追及がされた。
ハドソン川への水面着陸は究極の決断なのか、それとも無謀な判断だったのか?
それとも、サリーの決断は正しかったのか?
“あの判断はもしかしたら誤った判断だったのでは?”と国家運輸安全委員会や一部マスコミの疑念で容疑者扱いされて、“英雄”扱いから一転したサリーは苦悩して憔悴していくいく・・・

2009年1月15日にアメリカ・ニューヨークで起こった奇跡的な生還劇として世界で広く報道された航空機事故を、パイロットであるチェズレイ・サレンバーガーの手記「機長、究極の決断“ハドソン川”の奇跡」をもとに、クリント・イーストウッド監督が初めてトム・ハンクスを主演に迎えて映画化。


見終わって思い出したのが2012年に公開されたロバート・ゼメキスの「フライト」。
「フライト」ではデンゼルワシントン演じる機長が飛行機事故から多くの人命を救いもするが、自身のアルコールと薬物依存症が暴かれていくといった、2009年1月15日の航空機事故を基に急遽製作された映画と比較してしまう。
乗客生還の大まかなあらすじだけをみれば「フライト」も「ハドソン川の奇跡」もかなり似たような映画の印象を受ける。
だが、旅客機が背面飛行するといったとんでも描写がウリだった「フライト」はフィクションであり、「ハドソン川の奇跡」は実際に起きた航空機事故からの生還劇を描くノン・フィクションである。

離陸からハドソン川に不時着するまでわずか6分間。
1時間35分近くの上映時間で何を描くのか?
世界で広く報道された航空機事故で結末を知っているなか、題材的には30分ぐらいで終わりそうなものをどう映画化するのだろう?と考えていたけれど、
映画前半は事故に至るまでを描き、
後半はシュミレーションで事故を検証していく公聴委員会でのやり取りを描く。
事実を無駄なく淡々と描く見せかた、ストーリーの時系列をずらしながら、飛行機事故への過程が描かれる構成がよく出来ていた。

鑑賞前に想像していた不安は何だったんだろうかと、86歳のおじいちゃん、いや、失礼しました・・・巨匠クリント・イーストウッドに多少な疑問を持つこと自体不敬きわまり無いと、僕は今更ながら自覚した ┐(~ー~;)┌







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■ キーワード
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「40年の経歴が、208秒の決断だけで疑われる・・・」


「川に“墜落”させた原因は? いや、“着水”です!」


「事故回避が不可能に近いなかで“なぜ成功したのか?”という要因。それは、変数“X”という存在だったからです。サレンバーガー機長、あなたの存在がその“X”です。」





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■ 映画の採点  ★★★★
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…

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ジャングル・ブック

ジャングル・ブック


原題:The Jungle Book
公開:2016年8月11日
製作国・年:アメリカ映画・2016年
配給:ウォルト・ディズニー
上映時間:1時46分/V.V/DOLBY・SRD
鑑賞日:2016/9/30  シネマイクスピアリ(S16)

監督:ジョン・ファブロー
出演:ニール・セディ、ビル・マーレイ(声:バルー) 、ベン・キングズレー(声:バギーラ) 、イドリス・エルバ(声:シア・カーン) ルピタ・ニョンゴ(声:ラクシャ)、スカーレット・ヨハンソン(声:カー)、ジャンカルロ・エスポジート(声:アキーラ) 、クリストファー・ウォーケン(声:キング・ルーイ)


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舞台はジャングル。
父親を殺されて、ジャングル奥地にたった一人取り残された赤ん坊のモーグリ(ニール・セディ)は、黒ヒョウのバギーラ(声:ベン・キングズレー)に発見された。
バギーラはジャングルに住む動物達の群れのなかから、オオカミの母親、ラクシャ(声:ルピタ・ニョンゴ)にモーグリを託した。
モーグリはラクシャからは惜しみない愛を注がれて、ジャングルの子としてオオカミの子供たちのなかで兄弟のように育てられた。
そして、バギーラからは自然の厳しさと生き抜くための知恵を教わりながら少年へと成長した。
しかし、そこにジャングル最恐のトラ、シア・カーン(声:イドリス・エルバ)が姿を現わして、“人間は動物たちの敵だ、人間は災いを呼ぶ”と言い放ち、人間への憎しみの為に、モーグリの存在を許さなかった。
シア・カーンの言うようにモーグリはジャングルの“脅威”なのか?
モーグリは仲間の動物たちのことを考えて、ジャングルを去ることにしたが、それでもシア・カーンはモーグリを命を狙って追撃するのだが…


1894年に発表された小説家ラドヤード・キップリングの児童文学「ジャングル・ブック」の同名小説を原作とする名作ディズニーアニメーションを、「アイアンマン」のジョン・ファブローが製作、監督として実写映画化。

黒ヒョウのバギーラの声を担当するのは「ガンジー」や「ヒューゴの不思議な発明」のベン・キングズレー、クマのバルー役には「ゴーストバスターズ(1984年)」や「ロスト・イン・トランスレーション」のビル・マーレイ、巨大ヘビのカーの声はセクシー女優のスカーレット・ヨハンソン、巨大なオラウータン、キング・ルーイの声はクリストファー・ウォーケンらが個性豊かに動物たちの声を演じている。
そして、主人公のモーグリ役には12歳のニール・セディが演じている。


ディズニーは近年、マレフィセント、シンデレラ等、最先端のCG技術を駆使して、20年前なら実現不可能な過去のディズニーアニメーションを実写映画化してそこそこ成功を収めているけれど、「ジャングル・ブック」は映画公開後、全世界で9億ドルを超える大ヒットを記録して、あの「ライオンキング」や「アラジン」、「白雪姫」等の実写映画化も決定したとのニュースが伝わってきた。

主人公モーグリ(ニール・セディ)以外の動物達やジャングルの背景などは全てリアルなCGで表現されていて、絵本やおとぎ話でしか体験してこなかった世界観が、目の前に映し出される。
映画の大部分は、少年(主人公モーグリを演じる撮影当時10歳のニール・セディ)がたった一人スタジオで演技をして撮影しただけで、画面に登場する動物達の毛並みや仕草や繊細な表情、木々の間から差し込む木漏れ日、風で揺れ動く木の葉、雨や川を流れる水模様、背景となる大自然までもがCGで表現されていて、まるでジャングルの中に迷い込んでいるような違和感のない映像技術には感心してしまう。

ストーリーに斬新さや驚きはないけれども、リアルな世界とCGの境界線の無い“新世界”には小さな子供たちは夢中になる映画だろうなぁと思う。
動物達が主人公のモーグリと普通に会話したり歌ったりして、リアルに繰り広げられるアニメ的世界観でありながら、“ジャングルの掟”という価値観とは何か?
文明の象徴として“「赤い花」=火”が動物達にもたらすものは何か?
モーグリが人間として芽生える知恵がコミュニティ全体の秩序にどう変化をもたらすのか?
また、トラのシア・カーンがカッコウの托卵のことを喩えにして、動物達が寝静まった深夜に自分の考えをオオカミの子供たちに言い聞かせる洗脳描写や、偏見や差別など、ある意味社会問題への価値観も埋め込まれていて、単なる冒険物語ではなく、子供には子供の、大人には大人の見方ができる楽しい映画だった。







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■ キーワード
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「ジャングルの掟は青空のように古い真実。掟を守るオオカミは栄え、破れば死あるのみ。木に巻きつく蔓のように掟はゆきわたる。群れの結束はオオカミの力。オオカミの結束は群れの力。」


「人間だけが作り出す事が出来、操る事ができて、ジャングルを支配する力をも得る事が出来るそれを“赤い花”と呼ぶ」


「狼らしく生きろ・・・人間の知恵を使っちゃ駄目だ!」


「彼がジャングルの掟に縛られるなんて、それは価値観の押し付けだよ」


「ここは僕の家だ。僕はジャングルを守る」





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■ 映画の採点  ★★★☆☆☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…


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インデペンデンス・デイ リサージェンス

インデペンデンス・デイ リサージェンス

原題:Independence Day:Resurgence
公開:2016年7月9日
製作国・年:アメリカ映画・2016年
配給:20世紀フォックス
上映時間:2時間00分/CS/DOLBY・SRD
鑑賞日:2016/8/5  シネマイクスピアリ(S10)

監督:ローランド・エメリッヒ
出演:リアム・ヘムズワース、ジェフ・ゴールドブラム、ビル・プルマン、マイカ・モンロー、ジェシー・アッシャー、トラビス・トープ、ウィリアム・フィクトナー、シャルロット・ゲンズブール、ジャド・ハーシュ、ブレント・スピナー、セラ・ウォード、アンジェラベイビー、ビビカ・A・フォックス、チン・ハン、デオビア・オパレイ、ニコラス・ライト、ジョーイ・キング


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1996年、エイリアンによる地球侵略が起こり、およそ30億人もの人命を失いながらも人類はエイリアンに立ち向かった。
あの異星人との闘いから20年が経過した。
エイリアンの侵略を生き延びた人類は団結して、エイリアンが残したテクノロジーを転用した地球防衛システムを構築して、エイリアンの再来に備えていた。
そして、奴らは再び地球にやってきた。
巨大なエイリアンの宇宙船が世界各地の首都に出現。
奴らは重力を自在に操る圧倒的な科学力で、ニューヨーク、ロンドン、パリといった都市を次々と襲撃開始。
猛攻撃は止むことなく続き、人類存続の要であった防衛システムも無力化になってしまう。
人類は想像を超えた巨大な破壊を為す侵略者の脅威の前に、再度の絶滅の危機を迎える・・・

1996年に公開されて世界中で大ヒットを記録した「インデペンデンス・デイ」の続編。
監督は前作も手がけた地球破滅映画の帝王ことローランド・エメリッヒ。
ジェフ・ゴールドブラム、ビル・プルマンら前作から続投したキャストの他、リアム・ヘムズワース、マイカ・モンロー、ジェシー・アッシャー、トラビス・トープらといった若手キャストが新たに参加している。


アメリカ公開後の評価と興行成績の惨敗、サマーシーズンの期待を背負った日本国内での公開以降、
ネットでも映画の酷評が多くてスルーするつもりだった「インデペンデンス・デイ リサージェンス」を期待せずに鑑賞したのだが、
期待以下の作品だった |;-_-|=3 フゥ

前作のキャラクターのその後と若い世代が絡むいくつかのストーリーがごちゃ混ぜになっていて、無駄な展開ばかりだけが印象に残るだけで、新しさがない脚本はCG満載の地球の破壊シーンの数々を見せられても驚きをすら感じない・・・
映像のCG技術は進歩したが、物語のアイディアは進歩していなかった。
これほど共感を感じないストーリーは久しぶりで、まだマイケル・ベイが手がける作品のクオリティが優れていると錯覚するほどだった。

馬鹿馬鹿しいけどそれなりに楽しめた前作は許せる出来だったけれど、
今作のつまならさは許せないほどの出来だった (;´ρ`) グッタリ
あえて良かった部分といえば、前作から20年という時の流れは、映像のCG技術の進歩のおかげで戦闘機のバトルシーンや、終盤の砂漠での女王エイリアンとのバトルシーンの動きは、これまでの暗いシーンをバックにした映画が多かった中で、明るいシーンでの誤魔化しを感じないのがよくわかるくらいのみ。

多額の予算をかけたFOX社には二作目の成績次第ではシリーズ三作目の製作案もあったと云われているけれども、
今回の結果によって、三作目の製作案は宇宙の闇の彼方へと送りだされたんだろうなぁと想像できる・・・





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■ キーワード
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「これじゃ、観光名所が台無しだ」


「まったく、お前には世界が破滅しないと会えないのか?」





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■ 映画の採点  ★★
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…


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デッドプール

デッドプール


原題:DEADPOOL
公開:2016/6/1
製作国・年:アメリカ映画・2016年
配給:20世紀フォックス
上映時間:1時48分/CS/DOLBY・SRD
鑑賞日:2016/7/1  シネマイクスピアリ(S1)

監督:ティム・ミラー
出演:ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクレイン、T・J・ミラー、ジーナ・カラーノ、ブリアナ・ヒルデブランド、ステファン・カピチッチ(声)、レスリー・アガムズ、ジェド・リース、カラン・ソーニ


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元特殊部隊のウェイド・ウイルソン(ライアン・レイノルズ)は、街にはびこる小悪党どもを好き勝手にを懲らしめて、金を稼いで生計を立てていた。
ある日、バーで女性のヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)と出逢い、互いに抜群の相性を感じた二人は同棲を開始した。
幸せに満ちた日々を過ごしながら互いに結婚を決意し、幸せの絶頂にいた矢先、ウェイドは突然末期癌で余命宣告を受けてしまう。
幸せの絶頂にいた矢先がまさかの人生の暗転・・・
その時、黒服の怪しげな男がウェイドに近づき、癌が治る治療方法を提案されて治療話に誘われた。
ウェイドは悩んだ末にその治療話に自分の命を賭けることを決めて謎の組織へ向かった。
だが、ウェイドは騙されて壮絶な人体実験を受けさせられてしまい、秘薬を注入されて驚異的な回復能力と不死の肉体を得たミュータントに変えられてしまう。
謎の組織の本当の目的は、人間に肉体改造を施して戦闘マシンに造り上げる為の人体実験を行う犯罪組織だった。
ウェイドの癌の症状は克服されたのだが、顔面の容姿が酷く変貌してしまい、恋人のヴァネッサに会うことに躊躇することになった。
怒り狂った感情と醜く歪められた顔をマスクの下に隠した赤いコスチュームを身にまとったウェイドは、犯罪組織と人体実験を施したエイジャックス(エド・スクレイン)への復讐を誓うのだが・・・

マーベル・コミック原作の「X-MEN」シリーズのスピンオフで、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」にも登場した異色のヒーローを主役に描く映画「デッドプール」は、全米公開では過激な暴力描写の為にR指定という鑑賞年齢制限付作品ながらも全米累計興行収入が3億6千万ドル(約360億円)超の大ヒットを記録している。
監督は、視覚効果分野出身で初長編作となるティム・ミラー。



主役のデッドプールを演じるのはライアン・レイノルズ。
彼はDC陣営の「グリーン・ランタン」で主演を張るものの作品評価では叩かれて、興行収入でもコケてしまって暗雲漂う俳優生活の中でのスター街道へ浮上すると云われているけれど、彼の魅力というよりも映画の尖がったキャラクターや遊び心満載の構成が映画の成功になったんだと思う。
「ロード・オブ・・・」シリーズのイアン・マッケランとジョン・ハートのように、ライアン・レイノルズもライアン・ゴズリングと雰囲気が被ってしまい区別がつかない人は多いんじゃないのかなぁ。

物語は映画の中のキャラなのに、画面越しの観客席に向かって語りかけたりする。
オープニングのタイトルバックから“監督はギャラが高すぎて役立たず”とか“この作品はウルヴァリンにゴマすって製作した映画”だとかスタッフやキャストをdisる字幕から始まり、リーアム・ニーソンは3度も娘を誘拐されて馬鹿なオヤジだねという「96時間」ネタ、「127時間」のあのネタ、そしてヒュー・ジャックマンをdisることも忘れない。
“ベッカムはヘリウムみたいな声なのに顔がいいからモテル。ライアン・レイノルズは顔はいいけど演技は酷い”や“緑のスーツ姿にはしないでくれ・・・”といった他の映画作品への風刺やオマージュを込めたセリフが多く散りばめられている。

画面越しの観客席に向かって語りかけることを“第四の壁”っていうらしいけれど、そういう作品で忘れられないのがジョン・ヒューズの「フェリスはある朝突然に・・・」だったのを今でも覚えている。
このデッドプールも、あの「フェリスはある朝突然に・・・」そっくりのエンドロールになっていて、“まだ、ここにいるの? 映画はもう終わりだよ、帰りなよ”と続いて、デッドプール続編に関することもちょいと言って映画は終了する。

世界人類の為に戦うわけでもなく、正義の為に戦うわけでもない。
最愛の恋人のハートを取り戻したい切実な思いを、銃撃や二刀流の刀さばきのバイオレンス描写でヒーローらしからぬ毒舌家で自己中心的という型破りなキャラクターが暴れまわるチャラくてアクロバティックで屈折した映画とも言える。
「キック・アス」+「悪魔の毒々モンスター」+「マッドマックス」÷3=「デッドプール」って感じだった。

この作品はR指定という鑑賞年齢制限付作品ではあるけれど、中学生なら隠れてでも見て欲しい(笑)
僕が中学生の頃に見た「マッドマックス」のように、多感な時期に見れば記憶に残るんだろうなぁと思う映画ではある。
いや、見ている学生は遥かに多いと思うけれど・・・(笑)
というか、いずれ作品がレンタルやら商品購入の段階で市場に出回って誰でも見られるといのに、今の時代にR指定という鑑賞年齢制限を指定することが理解できないよなぁと感じる次第ではある・・・







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■ キーワード
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「愛は世界中を芳香剤の匂いで包み込む美しいものだ」


「人生とは災難の連続だけど、たまに“幸せなCM”がはさまるドラマみたいなものだ」


「皆はヒーローをフルタイムだと思っている。肝心な時に、正しい選択をするのがヒーローだ。そういうチャンスを与えられたら、自分を犠牲にして欠点を克服して、友達を救い、敵を許してやれ。その時には余計な事は何も考えるな。世間から自分がどう見られているのか・・・・おい!?」





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■ 映画の採点  ★★★☆☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…

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レヴェナント 蘇えりし者

レヴェナント 蘇えりし者
原題:The Revenant
公開:2016年4月22日
製作国・年:アメリカ映画・2016年
配給:20世紀フォックス
上映時間:2時37分/CS/DOLBY・SRD
鑑賞日:2016/4/29  シネマイクスピアリ(S3)
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、ウィル・ポールター、フォレスト・グッドラック、ポール・アンダーソン、クリストッフェル・ヨーネル、ジョシュア・バージ、ルーカス・ハース、ブレンダン・フレッチャー、デュアン・ハワード、アーサー・レッドクラウド、グレイス・ドーブ

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1823年、アメリカ北西部の荒野を数十人を越える毛皮狩の狩猟団の中で、ハンターのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は息子のホーク(フォレスト・グッドラック)と共に、狩猟団組織のガイドの一員として働いていた。
川沿いでキャンプを張っていた時、突如、先住民の襲撃にあって狩猟団メンバーの大半が殺されてしまった。
生き残ったメンバー達はグラスの先導のもと、船を捨てて山岳越えのルートで逃げようとするが、未開の森に足を踏み入れたグラスは熊に襲われた。
喉を食い破られ、足腰をへし折られて瀕死の重傷を負ってしまい、足手まといになると判断した狩猟団の隊長ヘンリー(ドーナル・グリーソン)は「死を見届けて、埋葬したものには一人100ドルを出す」と告げて、息子のホークとブリンジャー(ウィル・ポールター)、そして、フィッツジェラルド(トム・ハーディ)の三人が森に残った。
しかしグラスのことを快く思わないフィッツジェラルドは、身動きできないグラスの前でホークを殺して、グラスを土の中に埋めて置き去りにした。
極寒の未開拓地で生死の境をさまよっていたグラスは地面を這いずりながら、時には草を食べ、死骸の骨の髄にある肉片を食べ、冷たい川辺に石で囲った罠場で生魚を生で食べ、殺されたバッファローの生肉を食べながらあらゆる手を尽くして飢えや寒さに耐え抜いて、フィッツジェラルドへの復讐心の為に、過酷な大自然の中を突き進んでいく・・・

第88回アカデミー賞では同年度最多の12部門にノミネートされ、監督賞、撮影賞、そしてディカプリオが念願の主演男優賞を初受賞した。
監督は「バベル」「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。
イニャリトゥ監督は前年の「バードマン」に続いて2年連続の監督賞を受賞、撮影のエマニュエル・ルベツキも3年連続となる撮影賞を受賞した。
尚、音楽を担当したのは坂本龍一。

映画序盤の先住民らに襲われるシーンは、スピルバーグの「プライベート・ライアン」を彷彿させる、戦場にいるような臨場感を感じた。
カメラが生き物の様に縦横無尽に動く描写が戦闘中の現場の真っただ中に居合わせたように圧倒されてしまった。
これは尋常ないくらい面白いかもしれないと久々にワクワクしながら座席で姿勢を正した。
しかし、上映開始30分以降はそのワクワクした気持ちが急激に落ちていった。
見終わったあとに思ったのは、アメリカ開拓時代を背景にして先住民達との争いや交流を描いた映画で「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(1990年)や「ミッション」(1986年)、あとは「ラスト・オブ・モヒカン」(1992年)を鑑賞した時のような、感情移入ができなかったこと。

先住民の襲撃描写や襲い掛かってくる熊の描写のリアルさ、緊迫感は見応え十分だし、木々の揺れる枝葉や川を流れる水音、森や荒地に響くライフルの残音やディカプリオの呼吸の音など、極寒の中での撮影困難な状況での撮影技術や音響といったテクニカル面は凄いなぁと思わせる一方、熊に襲われて、あれだけ瀕死の重傷を負ったグラスが最後には普通に歩けるようになっていて、物語が進む時間軸上、怪我の治癒の仕方が何だかご都合主義な感じを受けた。

父親(グラス)の息子に対しての情が強く伝わるような親子関係の深さや、切なくなるような動機が伝わらない。
ここまで素晴らしい映像を見せながら、死んだグラスの妻が空中に浮いてる幻覚シーンや、空を隕石が通過するシーンなど、メタファーとしての効果がストーリーに与える高揚感を感じさせないのは本当に残念だなぁと感じた。
吹雪から身を守る為に、死んだ馬の腹を切り裂き、その中に全裸で入るグラス。
確かに演じるディカプリオの体から発せられる匂いや体温を感じさせる芝居ではあるけれど、“汚れかた”がどこか上品なだなぁってと思いながらディカプリオの表情を見ていた。

映画製作に当たっては人工照明を使用せずに、太陽光や火による自然光を使って撮影したとのこと。
撮影賞の受賞はまぁ妥当かも知れないが、やはり監督賞はジョージ・ミラーに獲って欲しかったなぁと、改めて思う。
ものすごく疲れていて、アクビが止まらず眠くて、15分程の仮眠をとっての鑑賞のせいなのか?
時間を置いてどういう感情を受けるのか、再度鑑賞してみたい。





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■ キーワード
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「俺の親父は、仲間が殺されて一人で荒野をさまよったとき、荒野の中で一本だけ立っている木にのぼって、神を見つけたと叫んだんだ。“何を見つけたと思う? まるまると太ったリスだ。親父はリスをみて神だといったんだ。そしてリスを殺して食ったんだ”」

「人はみな、野蛮なり」

「白人たちは肌の色で判断する。だから、お前の話なんてだれも聞かない。」
「神は与えもするが、奪いもする」

「嵐の中の木を見るがいい。揺れる木の枝が折れることはあるが、でも幹を見るとびくともしない。力強く根をはった木はどんな風でも倒れない」

「復讐は神の手の中にある」

「息が続く限り、戦い続けろ」



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■ 映画の採点  ★★★☆☆☆
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備考
100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…


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バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生

バットマンvsスーパーマン


原題:BATMAN v SUPERMAN DAWN OF JUSTIC
公開:2016年3月25日
製作国・年:アメリカ映画・2016年
配給:ワーナー・ブラザース
上映時間:2時32分/CS/DOLBY・SRD
鑑賞日:2016/4/8  シネマイクスピアリ(S12)

監督:ザック・スナイダー
出演:ベン・アフレック、ヘンリー・カビル、エイミー・アダムス、ジェシー・アイゼンバーグ、ジェレミー・アイアンズ、ダイアン・レイン、ローレンス・フィッシュバーン、ホリー・ハンター


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崩壊した惑星クリプトンから地球へとやってきたカル=エル/クラーク(ヘンリー・カヴィル)は、父(ケヴィン・コスナー)と母(ダイアン・レイン)に大事に育てられた。
ファントム・ゾーンという宇宙空間に閉じ込められていたクリプトン星の犯罪者ゾッド将軍(マイケル・シャノン)が崩壊したクリプトン星爆発の影響で自由の身へと開放されて、クリプトンの生き残りであるクラークを追って地球へやって来た。
ゾッド将軍は地球をクリプトン星化しようとたくらんで、超人的な能力を持つスーパーマンに成長したクラークに戦いを挑んだ・・・

スーパーマンは、人類の脅威であったゾッド将軍率いる侵略者を倒して地球を守ったものの、超人的パワーで使用した破壊行為が都市部に甚大な被害を与え、罪のない人々までも犠牲に巻き込み、人々からバッシングを受けることになった・・・
そのころ、スーパーマンとゾッド将軍たちの戦いで、自分の会社のビルが崩壊して従業員が被害に巻き込まれる様子を目撃していたブルース・ウェイン/バットマン(ベン・アフレック)は、スーパーマンの力で街が壊れまくるのを目の当たりにして、バットマンとしての活動から遠ざかっていた彼の心に、スーパーマンに対しての否定的な感情が、怒りへの火を点けた。
莫大の私財を使った技と装備で犯罪者や悪党から街を守ってきたバットマンと、超人的パワーで人類の敵や脅威から地球の平和を守ってきた、宇宙からやってきたスーパーマン。
“正義”の為に戦ってきた二人が何故いま敵対して戦うことになったのか?

不朽のヒーロー「スーパーマン」をリブートした「マン・オブ・スティール」の続編であり、マーベルと並ぶアメコミの二大巨頭、DCコミックスが「アベンジャーズ」のようなヒーローチーム「ジャスティス・リーグ」へ繋げる映画版クロスオーバーの布石として製作された「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」。
クラーク・ケント=スーパーマンは「マン・オブ・スティール」に引き続きヘンリー・カビル演じるが、ブルース・ウェイン=バットマンを演じるのは、ノーラン版バットマン役のクリスチャン・ベイルからベン・アフレックに変わった。
そのほか、イスラエルのモデル出身、ガル・ギャドットがダイアナ・プリンス/ワンダーウーマンに扮する「ワンダーウーマン」も初登場した。
スーパーマンの宿敵レックス・ルーサーを演じるのは「ソーシャル・ネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグ。
ブルースの執事アルフレッドはノーラン版のマイケル・ケインからジェレミー・アイアンズが演じる。
監督は「マン・オブ・スティール」に引き続きザック・スナイダーが手掛ける。


スーパーマンの“力”とバットマンの“正義”とは・・・
バットマンの正義があり、スーパーマンの正義がある物語は、ヒーローたちの葛藤と苦悩を描きながら、
今作は、タイトル通り「マン・オブ・スティール」の続編であり、それと同時に今後はDCコミックスを代表する他のヒーロー「Aqua-Man」や「Flash」「Cyborg」(日本ではあまり馴染みがないキャラクター)も登場して、コミックヒーロー同盟「ジャスティス・リーグ」への序章でもあり期待して観たのだが、やや期待外れになった。

予備知識があったほうがより映画の世界観を楽しめるのは解るけれど、場面展開のカットと情報量が圧倒的に多くてごちゃごちゃ感と詰め込み過ぎな事は否めないので、物語としての深みと緻密さが欠けている。
迫力があり見所も満載なのだが、シリアスなストーリー展開と無駄と思われる場面が多くて編集の詰めが甘い。

過去の「バットマン」シリーズや「スーパーマン」シリーズの映画を観ていても、DCコミックス(クリストファー・ノーランが手掛けた「ダークナイト」)の物語への理解度に親しみが湧くのは難しいかも知れない。
やはり、ザック・スナイダーの技量がないということなのだろうか・・・。

「マン・オブ・スティール」のクライマックスでの街が壊れまくるあの大規模戦闘の破壊バトルで、誰もがやり過ぎだろ?と思っていたエピソードを、ブルース・ウェインの視点で振り返るあのオープニングシーンはスリリングで見応えがあり、バットマンとしての怒りの感情を描くのは上手かったけど、映画全体的にクリストファー・ノーランが手掛けた「ダークナイト」のような映画の深みと緻密さが欠けているので、今後の「ジャスティス・リーグ」への期待感が萎みそうだなと不安になった。

あと、ジェシー・アイゼンバーグ演じる大富豪レックス・ルーサーが宿敵スーパーマンを倒したい動機がいまいち理解できない。
スーパーマンとバットマンを同士討ちさせる作戦ではあるが、レックス・ルーサーの背景がほとんど描かれないので彼が一体何をしたかったのか?
また、ドゥームズデイの描き方が「ロード・オブ・ザ・リング」のトロールや他の映画で見たような造形だったので新鮮味がなかった。

スーパーマンとバットマンが戦う?!
DCコミックスの2大看板ヒーローが実写版映画で遂に激突!ということで話題になったが、初めて見る人にとっては?って感じがすると思う。

不満点ばかりだが、良かった点はクリスチャン・ベール演じるバットマンの後任にベン・アフレックがキャスティング発表された時は不安と疑問の声も上がったが、晩年に差し掛かった初老のブルースウェインを見事に演じていて違和感がなくて悪くはなかった。
そして、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のジャンキーXLが手掛ける音楽をバックにワンダーウーマンの登場の仕方が抜群に格好良かった。


スーパーマンとバットマンが対決するって、アメコミを知らない普通の日本人には何となく違和感を覚えるかもしれない。
僕も“”スーパーマンとバットマンって同じ世界感で物語が進むもんだと???って感じだった。
単純に日本で言えばウルトラマンと仮面ライダーが競演するような感じなのかも知れない。
それでも、「スーパーマン」と「バットマン」は日本でも知名度はあるけれど、ワンダーウーマンをはじめとする今後登場するであろう他のヒーローに関しては、日本ではあまり馴染みがないキャラクターばかりなので、「アベンジャーズ」ほどの成功は期待薄になるだろう。
製作のワーナー・ブラザースとしてはスーパーマンとバットマンの世界観を再構築して、マーベルの「アベンジャーズ」のような成功を求めていたと思うけれども、今では当初の描いていた計画とは期待外れの認識になっているんじゃないかなぁと思う。







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■ キーワード
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「アメリカでいちばん古い嘘は何か? “力は罪じゃないということだよ”」


「悪は雑草と同じだ。抜いても抜いてもあとから生えてくる」


「“スーパーマン”は敵じゃない。・・・いや、たとえ1%でも、危険な点があるなら、それは敵だ!」


「悪魔は地獄から来るのでは無い。空からやってくる・・・」


「お前は血が赤いのか?・・・ 赤い血に染めさせて償いをさせてやる」


「お前は地球に来たのは理由があると言ったな。俺はこういうことを知った。人は裏通りで、理由なくと死ぬとな」


「お前の連れか?」





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■ 映画の採点  ★★★☆☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…


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オデッセイ

オデッセイ

原題:THE MARTIAN
公開:2016年2月5日
製作国・年:アメリカ映画・2015年
配給:20世紀フォックス映画
上映時間:2時22分/CS/DOLBY・SRD
鑑賞日:2016/3/1  シネマイクスピアリ(S14)

監督:リドリー・スコット
出演:マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン、クリステン・ウィグ、ジェフ・ダニエルズ、マイケル・ペーニャ、ショーン・ビーン、ケイト・マーラ、セバスチャン・スタン、アクセル・ヘニー、キウェテル・イジョフォー、ドナルド・グローバー 、マッケンジー・デイビス、ベネディクト・ウォン、ニック・モハメッド、チェン・シュー、エディ・コー


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火星有人探査“アレス計画”で火星での有人探査の最中、6人の宇宙飛行士が任務途中に激しい砂嵐に見舞われた。
クルーの退避中、植物学者のマーク・ワトニー(マット・デイモン)だけが嵐に巻き込まれて連絡を途絶えてしまった。
船長はミッションを中止した5人のクルーの緊急事態を回避する為に、マーク・ワトニーが死んだと判断して、火星から緊急脱出をして地球へ帰還する。
しかし、火星に取り残されたマーク・ワトニーは生きていた・・・
猛烈な砂嵐のなかで飛んできた通信用アンテナ部品が胸に刺さった状態だったが奇跡的に死を免れていた彼はどうするのか?
水なし。
酸素ほとんどなし。
通信手段なし。
食料は31日分プラスαの絶望的環境。
救助の可能性があるとしても、次の有人探査機が来るのは4年後。
マーク・ワトニーは絶望的環境のなか、考えうるだけの自身の創造力と科学の力で生き延びる方法をあらゆる手段で尽くしていく。

火星に取り残されたひとりの宇宙飛行士のサバイバルを緻密な科学描写とともに描きベストセラーになったアンディ・ウィアーの小説「火星の人」を、「エイリアン」「ブレードランナー」などのSF映画を手掛けてきたリドリー・スコットが映画化した。


映画は火星に取り残された男のサバイバル術と、彼を救おうとするNASAをはじめとする世界中の関心模様が描かれるのだが、宇宙人も登場しないし、悪役や抵抗勢力も登場しないし陰謀めいた理由もない。
しかし、極限状態の設定なのに絶望的な緊迫感が感じられない。
一番の理由は、地球帰還への希望をもって生き続ける主人公マーク・ワトニーを演じるマット・デイモンだからかもしれない。
なんせ、彼は不死身のジェイソーン・ボーンなのだから・・・(笑)、というか、ノーラン作品「インターステラー」でも火星に取り残されたよなぁ・・・
マット・デイモンじゃなくて、トム・ハンクスが演じていたほうが多少は絶望的な状況が感じられたのではないかと思う。
そうならば宇宙版キャスト・アウェイとあっちこっちから批評されたかもしれないけど・・・。
そして、映画のサウンドとして“ホットスタッフ”“スターマン”“ラブ・トレイン”などのノリノリ往年のディスコミュージックが使われているのも手に汗握るとは程遠かった原因かも知れない。

火星や宇宙の映像はリアルだし、宇宙船や各種装置などの科学技術面のディテールも細かく描かれているのが素人目にも伝わってくるけど、サバイバル映画としての面白さは「アポロ13」や「キャスト・アウェイ」のほうが良かった。

ところで、中国が協力を申し出るという設定については、個人的に違和感は感じないけど、青山繁晴や勝谷誠彦らは発狂するんだろうなぁとは思った (^▽^;)
十数年前の映画ならロシアあたりが何らかの救援や援助という設定が多々あったハリウッド映画だったけれど、最近は中国の関わりが確実に増えている。
中国に対しては政治的な意味合いからいろいろと憶測や批判など言われる機会がほんとに多くなったと感じる。
この作品における中国の援助というシーンに対しては違和感があるという意見を目にするのだが、そんなことばかり気にしていたらハリウッド映画なんか楽しめなくなるよと強く言い聞かせたいけど、
彼らにとっては無理な話なんだろうねぇと判っている ┐(~ー~;)┌








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■ キーワード
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「宇宙は協力的じゃない必ずやある時点で人間を見放す。全てに見放されて終わりのとき、運命を受け入れるのか? それともサバイバルするのか?」


「科学を武器に生き残る」


「人間には互いに助け合うという本能がある」


「船長、あなたの音楽の趣味は最低です・・・」





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■ 映画の採点  ★★★☆☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…


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ザ・ウォーク

ザ・ウォーク

ザ・ウォーク

原題:THE WALK
公開:2016年1月23日
製作国・年:アメリカ映画・2015年
配給:ソニー・ピクチャーズ
上映時間:2時3分/CS/DOLBY・SRD/3D
鑑賞日:2016/2/19  シネマイクスピアリ(S14)

監督:ロバート・ゼメキス
出演:ジョセフ・ゴードン=レビット、ベン・キングズレー、シャルロット・ルボン、クレマン・シボニー、セザール・ドムボイ、ジェームズ・バッジ・デール


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かって、地上110階、高さ411メートル、当時、世界一の高さを誇った米 ニューヨークのワールドトレードセンターのツインタワーの間にワイヤーをかけて、命綱なしで空中をかっ歩した男が存在した。
お月さまに行った人間は何人もいるが 、ワールド・トレード・センターのツインタワーにワイヤーを張って空中を命綱なしで渡ったのはただ一人。
彼の名はフィリップ・プティ。

幼い頃に見たサーカスがフィリップ・プティの人生を決めた。
“綱渡り”に魅了された彼はサーカス一座に入りながら、サーカスの基本を身に付けていく。
しかし、サーカス一座の座長パパ・ルディ(ベン・キングズレー)と喧嘩別れをして、サーカス一座を離れてしまう。
その後、アニー(シャルロット・ルボン)と出逢い、路上でのパフォーマンスで生計を立てていた。
そんなある日、歯医者の待合時間で目にした雑誌“ワールド・トレード・センター”の記事を偶然見つけた時、ツインタワーの上空間をワイヤーロープを渡してその上空を歩きたいという野望に取りつかれてしまう。
フィリップ・プティは悪い熱に浮かされたかのように計画実現の為に仲間を集めて、ワイヤー・ウォークの技術を極めていく。
1971年、パリのノートルダム大聖堂の尖塔間での綱渡りを成功させた彼は、1974年、仲間と共に渡米したフィリップ・プティはまだ建設中のワールド・トレード・センターに潜り込んで、設計技術者、マスコミや観光客、ビル作業員や関係者を装って、徹底的にワールド・トレード・センター横断計画を立てていった。
1974年8月6日早朝、フィリップ・プティはツインタワーの上空間を繋いだ一本のワイヤーロープ上に足を乗せた・・・

9.11を境にしてもう誰も彼と同じ挑戦をすることができない実在のフランス人の青年の彼が果たした行為は偉業と呼べるのか?
それとも狂人のパフォーマンスなのか?
命がけの綱渡りを敢行した男の物語を、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ、「フォレスト・ガンプ 一期一会」などを手掛けたロバート・ゼメキス監督が映画化した「ザ・ウォーク」を鑑賞した。


2Dで見るつもりだったけれど、不入りのせいなのか、上映二週目で2D版は劇場での上映期間は終了していた。
2009年に公開された「アバター」を3Dで鑑賞して以来、メガネの煩わしさや割高な料金を考えると3D映画の魅力をあまり感じなかったので、二度と3D映画は観ないと考えていたけれど、今回はしかたなく3Dで鑑賞した。
尚、貯まっていたポイントを利用出来たので割り増し負担は400円で済んだ。

映画はフィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レビット)の語り口調で話が進んでいく。
幼少の頃のエピソードから大道芸人として路上でパフォーマンスをする描写のセピア調の映像から、後半クライマックスの綱渡りシーンまでストーリー展開はテンポよくトントンと進んでいくのだが、ただ、フィリップ・プティの“空中を渡りたい!”という気持ち、衝動への共感が感じられない。

2001年の世界同時多発テロで倒壊し、今はもう存在していない“ワールド・トレード・センター”の姿を最新デジタル技術を駆使して、74年当時のビルの高さから眺めた、ニューヨークの景色、その光景を見下ろした街並み、霧がかった空間を映像化して、映画を観る観客に”綱渡り”を疑似体験させようと試みている「体感型映画」と宣伝されているのだが、僕だけには3D効果の「体感」という臨場感を感じなかったし、スリル感やワクワク感も正直感じなかった。
ひねくれている性格のせいかも知れない。

とりあえず、フランス人の大道芸人フィリップ・プティの半生はプティ自身がノンフィクション「マン・オン・ワイヤー」として著したあと、2008年に本人や関係者の証言や再現映像で構成されたドキュメンタリーとして描かれ、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を獲得している作品は先日アマゾンで購入していたので後日鑑賞をしてみたい。

しかし、10年前ならこの手の映画はそこそこヒットできる素材なのに、最新の視覚効果やゼメキス作品というキャッチでも映画の不入りのほうが気になってしまう。
話題にならない、ヒットしない理由を映画の鮮度というよりも、大人1000円、子供500円というシンプルな料金にしてもらい、入れ替えなしや二本立て、三本立て、名画座制度の復活など、現在の料金や興行システムを壊さない限り身近な娯楽としての映画の魅力は今後も拡がらないのにねぇ・・・










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■ キーワード
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「最初の一歩を踏み出すのが怖い」


「ニンジンは煮えた」


「“ステージ上では嘘をつくんじゃない”、観客はその嘘に気付いてしまう。」


「美しい1日だった。永遠に・・・」





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■ 映画の採点  ★★★☆☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…


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ブリッジ・オブ・スパイ

ブリッジ・オブ・スパイ

原題:BRIDGE OF SPIES
公開:2016年1月8日
製作国・年:アメリカ映画・2015年
配給:20世紀フォックス映画
上映時間:2時22分/CS/DOLBY・SRD
鑑賞日:2016/2/10  シネマイクスピアリ(S10)

監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:トム・ハンクス、マーク・ライランス、スコット・シェパード、エイミー・ライアン、セバスチャン・コッホ、アラン・アルダ、オースティン・ストウェル、ミハイル・ゴアボイ、ウィル・ロジャース


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1957年、ニューヨークに潜伏していたソ連のスパイ、ルドルフ・アベル(マーク・ライランス)はFBIに逮捕された。
保険の分野で専門の活動をしてきた弁護士ジェームズ・ドノヴァン(トム・ハンクス)に、上司と政府関係者から“ソ連のスパイを弁護して欲しい”と、裁判での弁護を頼された。
国際政治とは無縁のドノヴァンは、敵国のスパイを弁護することに周囲から非難が浴びせられ、家族への危害が及ぶ恐れも出てきたなかでも、弁護士としての職務を果たそうとする。
祖国への忠義を貫くアベルとドノヴァンの“誰でも弁護を受ける権利がある”という信念は、やがて二人の間に互いに対する理解や尊敬が芽生えはじめていた。
死刑が確実と思われたアベルの判決は、ドノヴァンの弁護で懲役30年の刑となり賛否両論の裁判は終わった。
それから5年後、U2偵察機でソ連上空を飛行中だったアメリカ兵のフランシス・ゲイリー・パワーズ(オースティン・ストウェル)が、ソ連に捕らえられる事態が発生した。
1963年、アメリカとソ連の両国は水面下でアベルとパワーズの交換を画策していた。
しかし、政府レベルでの交渉が不可能のなか、アベルの弁護を担当したドノヴァンに、政府同士には出来ない交渉の依頼が託された。
ドノヴァンは交換を画策する為の極秘の対話をする為に東ベルリンへ向かうのだが・・・

1950~60年代の米ソ冷戦時代、たった一人で米ソのスパイ交換交渉に挑んだ弁護士の実話を、スティーブン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演、ジョエル&イーサン・コーエン脚本で描き、本年度の第88回アカデミー賞に作品賞を含む6部門(作品賞、助演男優賞、脚本賞、美術賞、録音賞、作曲賞)にノミネートされた作品。


過剰な感情描写がなくて実話を淡々と描いているので地味な映画だった。
退屈はしないけれど、個人的には「ミュンヘン」のような緊張感があれば、娯楽的なな面白さがあっても良かったんじゃないかなぁと感じた。
トム・ハンクスだからある意味安心感して見れるのとは対照的にソ連のスパイ、アベルを演じたマーク・ライランスの演技が印象に残る
又、ヤヌス・カミンスキーが担当した映像は、アメリカとソ連が対立し、ドイツが東西に二分されていた冷戦時代の不安感と緊張感が伝わってくる。





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■ キーワード
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「規則など無い。規則にこだわるな。“規則が無い”と言うな、アメリカには“憲法”がある!」


「正義は皆に平等である」


「良い仕事とは言われた事を完璧に行う事だけでなく、正義に基づき行動する事が重要なのだ」


「子供の頃、よく家に来ていた人を思い出す・・・父の友人だったその人はある“連中”に何度も殴られて倒れた、しかし殴られる度に立ち上がった。よりひどく殴られても彼は再び立ち上がった。連中は殴るのを止めて“不屈”の彼を生かした。」





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■ 映画の採点  ★★★☆☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…

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スター・ウォーズ フォースの覚醒

スター・ウォーズ フォースの覚醒

原題:Star Wars: The Force Awakens
公開:2015年12月18日
製作国・年:アメリカ映画・2015年
配給:ウォルト・ディズニー
上映時間:2時16分/CS/DOLBY・SRD
鑑賞日:2016/1/1  シネマイクスピアリ(S6)

監督:J・J・エイブラムス
出演:デイジー・リドリー、ジョン・ボヤーガ、オスカー・アイザック、アダム・ドライバー、ドーナル・グリーソン、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、グウェンドリン・クリスティー、ルピタ・ニョンゴ、アンディ・サーキス、アンソニー・ダニエルズ、ケニー・ベイカー、ピーター・メイヒュー、マックス・フォン・シドー、マーク・ハミル


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大晦日から風邪気味の状態で何とか凌げるのかなぁと思って新年を迎えたら症状が悪くなってきた。
今シーズンのスキー初滑りを年末年始に考えていたけれど、風邪の症状以外にスキー場の雪不足の理由で断念した。
「妙高赤倉」、「白馬コルチナ」、「戸狩温泉」のスキー場は雪不足で例年に比べてクリスマスを過ぎて27日辺りからようやく営業開始が出来たようだけど、それでも積雪量も50センチ前後でスキー場の一部のコースのみでクローズコースが多い。
スキー場の雪不足がニュースなどで取り上げられているが、でも旧暦でいえばまだ11月中旬過ぎなのだから雪が少ないのもわかる気がする。

スキーに行くのは諦めて
仕事の関係で映画鑑賞もレイトショーが多く翌朝の仕事の都合を考えるとタイミング的に見逃す場合が昨年は多かったので、風邪気味の状態ではあったけれど「スター・ウォーズ フォースの覚醒」を鑑賞する為に劇場に向かった。
1月1日、昼間の明るい時間から映画鑑賞をするのは2~3年ぶりではないのだろうか。
イクスピアリの館内は空いている。
正月三が日で映画を鑑賞するなら比較的空いている1月1日が断然良い。


SF映画の金字塔「スター・ウォーズ」のシリーズ最新作、「スター・ウォーズ フォースの覚醒」はディズニー製作による新たなる新三部作。
「ジェダイの帰還」から約30年後の設定を、テレビシリーズ「LOST」や「スター・トレック」シリーズを再生させたJ・J・エイブラムスが監督と脚本を手がる、ジェダイの再生を描く新たな三部作の第一章。

帝国軍の残党で作られた“ファースト・オーダー”という悪の組織を率いるカイロ・レン(アダム・ドライバー)は、伝説のジェダイの騎士、ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)の行方を探していた。
また、帝国軍を壊滅に導いたレイア(キャリー・フィッシャー)率いるレジスタンス達も同様に失踪中のルーク・スカイウォーカーの行方を探していた。
そんな中、家族を知らずに砂漠の惑星ジャクーで孤独に生きていたレイ(デイジー・リドリー)は、球体のドロイドBB-8と、帝国軍のストームトルーパーの脱走兵フィン(ジョン・ボヤーガ)に出会ったことから彼女の運命が動き始めて、銀河の新たな命運を賭けた戦いの渦中へと巻き込まれる。

過去のシリーズ全作をスクリーンで鑑賞した世代ではあるけど、自分の年齢が50代に入った現実を考えるとある意味げんなりしてしまう。
げんなりしていても、
銀河には平和は戻っていなかった・・・
まぁ、悪が滅んでいきなりおめでたい世界が誕生していない設定もそれは解る。
別々の道を歩んだハン・ソロとレイアのその後の設定もよしとしょう・・・
だが、二人の息子である“カイロ・レン”の設定が安易すぎるよなぁ。

帝国軍と“ファースト・オーダー”という組織、そしてデススターもどきの“スターキラー”の設定。
キャラクターとしてはダースベイダーと“カイロ・レン”、ルーク・スカイウォーカーとヒロイン“レイ”。
アンドロイドのR2-D2と“BB-8”などエピソード4の類似点と設定など、どこかで観てきた焼きまわし感の数々・・・

「ジェダイの帰還」で悪の権化ダーク・シディアスが滅んでハッピーエンドを迎えたはずなのに、
“スノーク”とかいうシディアスもどきの悪の指導者の存在背景と、何故、帝国軍の残党で作られた“ファースト・オーダー”という悪の組織がこんなに勢力を拡大しているのか?、劇中での詳しい背景などが解らない。

善と悪を背景に父と息子、家族の絆と喪失、そして家族の再生をまた繰り返すんだろうか・・・
改めて「スター・ウォーズ」シリーズを考えると、ファン心理で妄想と創造する“神話世界”の深みへ続く物語になることはもう期待はできないなぁと思う。

良かった点をあげるとしたら新ヒロイン、レイを演じるデイジー・リドリーは好演している。
ただ、彼女演じる少女レイの設定がファルコン号を難なく操作したり、フォースの鍛錬をしたわけでもないのに使用したこともないライトサーベルを振り回してカイロ・レンと互角の戦いをする等、突っ込みたくなる部分や疑問が有る。
また、セットや背景の映像がCGではなくて、作り込まれたリアルな感じが良いし、旧三部作から比べると劇的に進化したVFX技術のおかげで、宇宙空間ではなくて惑星内の明るい空間でミレニアムファルコン号やXウィングのドッグファイトや、夕陽を背景にしたタイファイターの飛行シーンなどの映像と音響は見応えある。

映画としては面白かったし成功か失敗かでいえば間違いなく成功なんだけど、これでいいのかな?って疑問を感じている。
まぁ、ハン・ソロとレイアの再会場面には感極まったし、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、マーク・ハミルがメイク技術ではなくて実際に30年という年齢を重ねてきた皺交じりの表情の演技を観れるだけでも感無量ではあるけど・・・。

新三部作はディズニー映画になった。
これまでのシリーズ冒頭の20世紀FOXのシンボルロゴとアルフレッド・ニューマンのファンファーレが鳴らないのはちょっいと淋しい。
シンデレラ城のシンボルロゴは無しでルーカスフィルムのロゴのあと、
「A long time ago・・・」の静寂なシーンがあっての、ジョン・ウィリアムズのメインタイトルのジャーン!!!と来る、あのささやかなルーティンが無い微妙な違和感。
そのせいなのか、ジョン・ウィリアムズの新スコアからは画面の空間に拡がるサウンドからエネルギーを感じない不思議な感覚もあった。


不思議な感覚で言えば、1970年代を代表する話題作だった「マッドマックス」「スター・ウォーズ」そして「ロッキー」という映画の続編がそれぞれ復活した。
ロッキーの続編、「クリード」は未鑑賞で感想は後日に記するとして、
「マッドマックス 怒りのデスロード」も「スター・ウォーズ フォースの覚醒」も期待感とワクワク感が大きすぎて、梯子を外された感があったが、
2015年はある意味因果めいた不思議な年ではあったと後々話のネタにはなるかも知れないなぁと思う。





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■ キーワード
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「私はあなたが始めたことを終わらせる為に、あなたを受け継ぐ・・・」


「女はいつだって嘘に気づく・・・」


「あなたこそ、ベイダーほど強くなれないことを恐れているのよ」


「探している人は“過去”にいない・・・“未来”にいる・・・」





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■ 映画の採点  ★★★☆☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…

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007 スペクター

007 スペクター

原題:SPECTRE
公開:2015/12/4
製作国・年:アメリカ映画・2015年
配給:ソニー・ピクチャーズ
上映時間:2時28分/CS/DOLBY・SRD
鑑賞日:2015/12/29  シネマイクスピアリ(S11)

監督:サム・メンデス
出演:ダニエル・クレイグ、クリストフ・ワルツ、レア・セドゥー、レイフ・ファインズ、モニカ・ベルッチ、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリス、デビッド・バウティスタ、アンドリュー・スコット、イェスパー・クリステンセン


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半年ぶりの映画鑑賞。
イクスピアリも自動発券機が置かれて、料金窓口が閉鎖になっている。
またスタンプ式のポイントカードもカードシステムに変更されていて、僕の期限切れ一日前のカードも三ヶ月程度の延長が可能になり、危うくポイントを失う処だったので助かった (ー。ー)フゥ


ボンド(ダニエル・クレイグ)は“死者の日”のお祭りで賑わうメキシコで謎の男を追っていた。
そこでボンドは格闘の末に殺害したマフィア、スキアラ(アレッツサンドロ・クレモナ)がはめていたタコのマークが彫られた指輪から、スキアラの未亡人になったルチア・スキアラ (モニカ・ベルッチ) のいるローマへ向かって、悪の組織“スペクター”の存在をつきとめる。
その頃、ロンドンでは国家安全保障局の新しいトップ、マックス・デンビ こと“C”(アンドリュー・スコット)が、MI6の組織行動に疑問を抱き、M(レイフ・ファインズ) が率いる組織の解体を画策していた。
ロンドンに戻ったボンドは秘書マネーペニー(ナオミ・ハリス)から、少年時代を過ごした“スカイフォール”の焼け跡から出てきた写真を受け取った。
彼はその写真に隠された謎に迫るために、Mの制止を振り切って、秘かにマネーペニーやQ(ベン・ウィショー)の協力を得ながら、“スペクター”の謎のてがかりとなるかもしれないボンドの旧敵で因縁の殺し屋、Mr.ホワイト(イェスパー・クリステンセン) の娘マドレーヌ(レア・セドゥ)に接触する為に、単独でオーストリア、モロッコへと赴く。
彼の行動を阻止する襲撃者たちとの死闘を繰り広げながら“スペクター”の核心部分へと迫る中、ボンドは追い求めてきた敵と自分自身の恐るべき関係を知ることになる・・・

前作「007 スカイフォール」に続き、サム・メンデス監督がメガホンをとり、6代目ボンド=ダニエル・クレイグが4度目のジェームズ・ボンド役を演じる「007」シリーズの第24作目。


感想としては「007 カジノロワイヤル」を鑑賞した時に感じた躍動感と突き抜ける映画の引力が無いのは監督のせいなんだろうと思った。
サム・メンデスは前作の「007 スカイフォール」と今作でボンドと周りの人物像を深く掘り下げる映画作りを意識したと云われているが、なんなんだろうか?
映像の美しさやカメラワークも良くて、ダニエル・クレイグは最高にいいのだが、映画の感想としてはなんとなく腑に落ちない。

メキシコでのオープニングのロングショットで描かれるアクションシーンからオーストリアの雪上アクション、ローマで繰り広げられるアストンマーチンとジャガーのカーアクションや列車内での格闘シーンなど、見せ場はあるのだが、“スペクター”の描き方、ボンドガールのレア・セドゥのあまりの魅力無さに乗り込めないで覚めてしまった。
また、モロッコの砂漠の中にある“スペクター”の基地をボンドの銃撃だけで大爆破させるシーンと、映画ラストのオーベル・ハウザーの乗ったヘリに向かってボンドがピストルの弾でヘリのエンジン部分に命中させて墜落させるシーンなど荒っぽいなぁという印象だ。

ボンドの過去は、両親を亡くした後、孤児になっていた彼をヨハン・オーバー・ハウザーという人に養子として育てらる設定だが、ボンドと父親の仲に嫉妬した息子で義理の兄弟となるオーベル・ハウザー(クリストフ・ワルツ)が雪崩れ事故に見せかけて父親を殺害し、本人も死亡したことにして姿をくらませていたという設定。
クリストフ・ワルツの演技としての迫力不足というよりも、“スペクター”の悪役組織としての闇部分存在意義や凄みが薄い設定の描き方に至るまで、人物像を深く掘り下げる効果が各シーンとの設定に微妙にズレている展開が僕には強く感じられた。

果てして“スペクター”は最強の敵だったのか?
ネタバレになるが、映画のオープニングや後半のMI6の廃墟にボンドの敵だったドミニク・グリーン、ル・シッフル、ラウル・シルヴァーと、ボンドを愛したヴェスパー・リンドまでの顔写真が貼られている場面は、オーベル・ハウザーが影で操っていたという関連付けの設定にも微妙な違和感を感じた。
何よりもジュディ・リンチ演じるMも“スペクター”との関連があった設定には、果たしてどうなんだろかと思った。


「007 カジノロワイヤル」でジェームズ・ボンドが“007”になるまでが描かれた原点回帰、「007 慰めの報酬」はカジノロワイヤルのエンディングから繋がる後編としての設定。
そして「007 スカイフォール」でマネーペニーやQといった過去のボンド映画の脇役と新しいM(レイフ・ファインズ)の登場や秘密兵器の小道具設定と、ボンドが歩いてきて観客に拳銃を向けるシンボン的なオープニングタイトルバックで通常路線に乗せる展開になった。
しかし、ダニエル・クレイグ版の007を見た後の功罪は過去のシリーズがいっそうチープでダサい感じにを受けることだが、今回で通常路線に乗ったところで、映画ニュースで伝えられる情報によればダニエル・クレイグのハード路線の6代目ボンドもこれで見納めになるかも知れない。

今回の物語ではオーベル・ハウザーは殺されずに逮捕されて終わった設定だけれど、以後のシリーズには再びボンドを狙う展開になる可能性はあるかもしれないが、何よりも新ボンド役の俳優次第で映画007シリーズの魅力が今後どうなるのか不安でもある。





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■ キーワード
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「君は嵐の中でもがく凧だよ」


「ナインアインズ計画」


「弾切れだ。」


「殺しのライセンスは、同時に殺さないライセンスでもある」





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■ 映画の採点  ★★★☆☆
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備考

100点満点で点数は★20点 ☆5点

★★★★★ 有数の傑作
★★★★  見逃せない
★★★   見応え充分
★★    話題作だけど…
★     ダメだ、こりゃ…


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